内容説明
日本語と日本文化が現代日本の国際化のなかで、どう位置づけられるべきか―。独自の視点をもつ著者が、広範な題材を「ことば」を切り口にして、おもしろく語りながら具体的に浮き彫りにしている。国際化時代における日本語と英語の役割について論じた評論や、「ひ弱な日本人」に国際化は可能かと問う意見、自然とともに生きる生活や、恩師について語ったエッセイなどを収録した。
目次
ことばと文化
社会と文化
アイデンティティ
生き方・考え方
浅間の麓から
亡き師を憶う
日本人と日本語
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sabosashi
9
姉妹書の『ことばの人間学』とともに絶版らしい。 内容的には岩浪新書の『日本語と外国語』と重複するところもあるが、より広範なテーマから成り立っている。 著者はもともと英文学者、しかし寝るときになにを読むか、とかはおおいに興味を惹かれる。 シメノンの「メグレ警部もの」を何十冊も買って順々に読むという。 いろいろ観察、洞察できることも多く、ただの息抜きの読み物とは異なっているらしい。 この本には雑文的なものも加わっていて、この著者の人間的厚みのようなものを感じさせる。 2016/11/13
スズキ
0
地誌学の趣がある。日本が世界をリードしなくちゃならないその一員だという、著者の自説。2013/05/28
のら
0
良著、もっと注目されても良いのに。特に植民地の分類についての言及が鋭く、いかに社会のルールが真理や利便性でなく、強者からの押し付けによって成されているかを痛感する。グローバルの時代、だからこそこういう本を読んで本当にそれは好ましいものか否かを判断しなければならない2010/02/15