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新潮文庫
百年前の山を旅する

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  • サイズ 文庫判/ページ数 236p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101253213
  • NDC分類 291.3
  • Cコード C0175

出版社内容情報

サバイバル登山を実践する著者が、江戸、明治時代の古道ルートを辿るため、当時の装備で駆け抜ける古典的で斬新な山登り紀行。

「鯖街道」と呼ばれる若狭から京都へと続く山道。担ぎ屋は灯りも持たず一昼夜で駆け抜けたという。著者は現在のルートより短距離で一直線だが、はるかに急峻な古道を探し、テントも燃料も持たず、草鞋を履きその道を辿る。現代の山行はテクノロジーの進化で、自然と闘い、溶け込む、本来の行為から遠くなった。奥多摩、北アルプス、奥秩父――登山の原点を見つめたサバイバル紀行。

内容説明

「鯖街道」と呼ばれる若狭から京都へと続く山道。担ぎ屋は灯りも持たず一昼夜で駆け抜けたという。著者は現在のルートより短距離で一直線だが、はるかに急峻な古道を探し、テントも燃料も持たず、草鞋を履きその道を辿る。現代の山行はテクノロジーの進化で、自然と闘い、溶け込む、本来の行為から遠くなった。奥多摩、北アルプス、奥秩父―登山の原点を見つめたサバイバル紀行。

目次

奥多摩・笹尾根縦走―一〇〇年前の装備で山に入る
奥秩父・笛吹川東沢溯行―日本に沢登りが生まれた日
北アルプス・奥穂高岳南稜登攀―ウェストンの初登攀をたどる
若狭~京都北山・小浜街道針畑越―鯖街道を一昼夜で駆け抜ける
北アルプス・白馬岳主稜登攀―「ある登攀」を追いかけて
北アルプス・小川温泉~鹿島槍ヶ岳―黒部奥山廻りの失われた道
北アルプス・鹿島槍ヶ岳北壁登攀~八峰キレット縦走―火を持ち歩くということ

著者等紹介

服部文祥[ハットリブンショウ]
1969(昭和44)年神奈川県生れ。学生時代はワンダーフォーゲル部所属。’96(平成8)年から山岳雑誌「岳人」編集部に参加。K2登頂など、オールラウンドな登山を経験したあと、装備を切りつめ食糧を現地調達するサバイバル登山をはじめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

65
2013/12/25 Amazonより届く。 2015/5/18〜5/22 サバイバル登山家の異名をもつ服部文祥氏が、古い文献に残るルートを可能な限り昔の装備で挑んだ記録 氏の現在のスタイルの成立過程の記録でもある。中でも、加賀藩が行っていたという黒部奥山廻りと、鯖街道を一昼夜で本当に辿れたのか、が面白かった。いずれにせよ、山の能力が非常に高い人だ。これまで雑誌に掲載された記事を散発的に読んでいたが、まとまったものは初めてである。今後も読んでいきたい山にとても熱い人だ。2015/05/22

マリリン

52
安全対策を充分講じた現代の山行の中で、100年前の装備を再現し山や古道を歩く事に魅力を感じないはずがない。著者のように徹底していないし度を越えた危険を冒してまでという事はない。人間が本来持っているのではと感じている動物的勘を失いたくなくて公言を憚るような行動をしたい衝動に駆られる。システム化された山行は安全性を向上させるが。 現代事情に通じる鯖の話も面白かった。一夜干しし高値で売れる大阪に運ぶ。北海道のホッケが静岡で加工され都内の店頭に並ぶが、酸化防止剤を使用していないホッケが食べたい。2022/10/24

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43
服部文祥この男面白い。友達に欲しい。先人に習い100年前の装備でテントも持たずに和服、鳥打帽、股引き、わらじ。記述を頼りに登山する無謀な登山家。思わず、え!バカな事を!といいつつ思わず笑ってしまう。しかし読んでいくと…なるほど思いのほか深い、人間、自然、命、幸福感、多くの事を真面目に考えて行動している。『人が文明人であることを清算して、ただの生命体として存在するのは、たとえ山の中であっても難しい。』今山では人間だからの情報とルールが押し付けられ、そこから外れることは許されない。彼は必然的に滅びていった→2022/10/19

りんご

41
えへぇ〜、変な人〜、と思って読んでったんだけど、あとがきまで読んだらなんか好きになってきちゃったな。上田哲農という登山家について、上田の言葉を引用しつつ分析してる所で私も気付きを得ました。私の登山家へのイメージって(ほぼ小説から育まれてるんだけど)、「山で死ねたら本望」。この本の中でいう「自己破滅的要素」です。上田はこの先を求めている。生還するところに登山の極みがある、と。そうですよ!生きて帰らななんもならんっつーの。ここ読めて良かったね。他の著作にも興味出てきました。2023/11/20

みや

21
防寒、防水、速乾…。今では当たり前の機能的な登山用具がなかった時代にも、古人たちは生活のため或いは冒険心から、未開の山奥に足を踏み入れていた。本書はサバイバル登山家の著者が、できるだけ彼らに近い装備でその足跡を辿ったルポである。視点をシンクロさせるため、わらじを履き背負子を背負って山を歩く。そうして見えてきたのは、現代の感覚では当時の人々の限界を安易に予測できないということ。写真を見るに冗談さながらだが、実践を通じてしか到達できない境地を愚直に追い求める著者に敬意を抱く。2021/07/23

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