新潮文庫
神様がくれた指

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 647p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101237336
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

出所したその日に、利き腕に怪我を負ったスリ。ギャンブルに負けて、オケラになったタロット占い師。思いっ切りツイてない二人が都会の片隅でめぐりあった時、運命の歯車がゆっくり回り始めたことを、当人たちはまだ知らない。やがて登場するもう一人がすべてを変えてしまうことも。「偶然」という魔法の鎖で結ばれた若者たち。能天気にしてシリアスな、アドベンチャーゲームの行方は。

著者等紹介

佐藤多佳子[サトウタカコ]
1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。’89(平成元)年に「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で’98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SJW

130
題名から想像したのはピアニストの話だったが、読んでみると出所したばかりのスリの辻とギャンブルで金がない占い師の昼間が知り合い、予測できない展開に。少年少女のスリグループを追い続ける辻、辻を慕う幼友達の咲、以前に辻を逮捕した所沢警部、スリ仲間の西方一家などが、能天気ながらもサスペンスを繰り広げる。辻はスリの技術はピカ一だがどんくさいところが憎めない。2021/03/11

ちょこまーぶる

72
読後はスッキリした気分になった一冊でした。スリ師とタロット占い師の出会いから始まる話なんですが、それぞれのキャラクターの描写が素晴らしく二人の世界に引きづりこまれるように読書をした感じです。そして、犯罪を擁護するわけではありませんが、スリ師の誇り高いプライドのようなものも感じることが出来たかなぁ~と思いましたね。あらすじとしては、結構スリリングな展開であったので、エピローグの何とも温かな感じが好きでしたね。それから、スリ師の幼馴染の咲のことが気になってしまって、今後の二人はどうなるのか?気になる~。2019/07/01

とも

65
スリのマッキーと占い師マルチェラ、それに関わる少年犯罪者達、そしてマッキーに恋する咲の物語。面白い組み合わせの顔触れで面白い感じに話は展開していくんやけど前半の間延びした感は否めず。各章がタロットカードに因んだ題が付けられているのにはニヤリとさせられるが、そこまで深く関わりはなく期待以上の広がりはない。結末も「あれ?これで終わりでええの?」やし。いつかまた再読…にはならんなぁ。2016/08/03

はらぺこ

65
読む前はスリはテクニックが見事やし相手を傷つけないので多少良いイメージを持ってた。せやけど、新幹線でマッキーが老婦人からスリをしてからイメージは変わった。その後の老婦人の事は書かれてないけど、鞄を開けた時の気持ちを想像すると辛くなる。後半はスリリングやけど、スリ行為の度に被害者の事を考えてしまい楽しめなかった。 以前、自分の母親が引ったくりの被害にあったので余計に被害者に気持ちが行ってしまったのかも。 犯罪は重い軽い関係無く人を傷つけるからアカン。2010/10/06

chikara

59
「一瞬の風になれ」で、ファンになった佐藤多佳子さんの作品なので、題名買いしました。題名ではスリと占い師が登場人物だとは想像できませんでした。ピアニスト系をイメージしてました。なんとも不思議な読後感。スリを応援するの?スリの幸を祈るの?正義感のあるスリ?スリに心奪われる自分に??神様からもらった才能をこれからは別な事に活かして欲しい。2016/04/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/567902
  • ご注意事項