新潮文庫<br> しゃべれどもしゃべれども

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新潮文庫
しゃべれどもしゃべれども

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  • サイズ 文庫判/ページ数 421p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101237312
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoshida

366
自分に自信を失っている四人が、落語家の今昔亭三つ葉の下で落語を習うことに。そんななか、三つ葉自身も自信を失ってゆき。自分にコンプレックスを持たない人はいないだろう。程度の差は人それぞれだと思う。本作では、三つ葉も含めた五人が悩みながらも、自分の抱える悩みを正面から捉え、立ち向かう。その姿は美しい。特に村林くんの一所懸命さは、彼のこれからの人生で大きな宝物になると思う。十河と三つ葉のラストは驚き。登場する人物が不器用ながらも、必死で生きていく。この姿は読者の気持ちを押してくれると思う。温かい読後感でした。2017/05/18

しんごろ

363
臨場感のある寄席をメインとした話だと思いましたので、ちょっと戸惑いました。話し方に難のある方々と共に、教える今昔亭三つ葉も成長していく姿に、ほのぼのします。ラストに近づくにつれて、淡々と話が進みますがウルッとしてしまいました。不器用な三つ葉と十河との行く末が何か惹かれて読むペースがあがりましたね。もうちょっと落語の話題に、ふれてほしかった気がしますが、ふわっと浮く感じの心地よい面白さでした。2018/03/12

ちょこまーぶる

349
大変面白い一冊でした。今年に入ってから寄席に2回ほど行って寄席と落語の楽しさを知ってきたので興味深く読み進む事が出来ました。話す事に何らかのコンプレックスを持つ者が落語を習う事で再び自信を持つ事ができるプロセスを描いていて、その話の中でも共感する事が出来ることが多く、今更ではあるがチャレンジをすれば必ず何かが見えてくるという当たり前のような事を再認識した思いです。それにしても、即席の寄席のシーンはワクワクしたし、三つ葉と十河の恋の今後も気になる良い意味で後を引く作品でしたね。映画も見てみようかな。2014/08/05

seacalf

333
壇上に上がって大勢の前で話す機会なんて絶えてない。なのに数日後、都内ホテルにて社長を筆頭に会社の重鎮達を前にスピーチをする機会があり、岩田書店で紹介されていたこの作品になんぞヒントがないかと勇気を貰う気持ちで読む。噺家特有の人を喰ったような比喩と小気味良いテンポでするすると読めて気持ちが良く、キャラも愛おしいし、読後感も爽やかでいい。気が付かなかったけれど書いたのはあの『サマータイム』で夢中にさせてくれた佐藤多佳子さんか。人前で話すことのアドバイスは得られなかったが、間違いなく自分好みの作家さん、再発見。2018/08/19

takaC

309
真弓やGの斎藤が現役選手の頃のちょっと古い時代の話だったけど楽しく読めた。97年の本の雑誌ベスト1にも納得。2014/04/12

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