新潮文庫
タックス・シェルター

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  • サイズ 文庫判/ページ数 552p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101217284
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0195

内容説明

谷福證券社長・谷山福太郎の葬儀が終わった日、財務部長の深田道夫は決然と悲しみを振り切った。親とも慕う福太郎が海外に設けていた隠し口座。この自分だけが知る秘密の処理に、決してミスは犯せない―。租税回避策を使った「税」の脱け道に踏み迷い、あくまでも誠実なサラリーマンであったがゆえに狂い始める深田の理性。人間の欲望と悲哀を圧倒的迫力で描き切った経済大作。

著者等紹介

幸田真音[コウダマイン]
1951年滋賀県生れ。米国系銀行や証券会社での債券ディーラーや外国債券セールスなどを経て、’95年『ザ・ヘッジ回避』(文庫版は『小説ヘッジファンド』と改題)を上梓し、作家に転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まつうら

47
証券会社の財務部長というカタブツの男が、ひょんなことから大金を手にしてその魔力に嵌っていく物語。経済小説というより、大人のラブロマンス的な色彩が強い。タックスヘイブンを駆使したダークな金融取引を期待していただけに、ちょっと残念だ。しかし、作中で中学生が問いかける税についての質問が鋭く突き刺さった。税金は国を維持していくために必要で、税金がないと警察や救急が機能しなくなり、みんな困ってしまう。しかしみんな税金を少しでも払わずに済まそうと行動する。この矛盾はどうして??? ぱっとは答えが思いつかなかった。2022/11/07

幹事検定1級

31
真面目な銀行マンが亡き社長から預かったケイマン諸島の預金を自分の意思と反し持ちかけられた友人らによって大きく資産を増やし、金銭感覚が狂い出し、大切な人達を餌にされ揺すられ破滅して行く経済小説。タックスヘイブンに群がるのは大金持ちでしょうから、無縁の世界ですが非常に楽しく読ませて頂きました。解説で竹中平蔵さんがおススメしていた筆者の日本国債という作品もぜひ読ませて頂きます。2018/05/25

tolucky1962

16
最近プチマイブームの幸田真音さんの金融小説。 主人公は生真面目さ故に投機話に引き込まれしまう。なんとも悲しい話である。 解説にもあったが、幸田さんならではリアルさに引き込まれる。 個々の場面、登場人物が金融分野の様々な様子を知らせてくれる。タックスヘイブン・無謀な投機ギャンブル・企業内のドロドロ・税務官の生きざま・淡い大人の恋。 小説の終わり方は難しい。7章はなんだかなあと思ったが、そのあとのエピローグで国税庁の有紀が調査しているときの心情を思うとぐっとくる。 2016/06/24

miyatatsu

10
難しい金融用語や金融システムなどが出てきていないので、経済小説を余読んできていない人にはとても読みやすく、内容がわかりやすいのでおすすめしますが、経済小説を読み慣れている人にはちょっと物足りないかもしれません。2018/11/11

Walhalla

8
私の好きな作家さんのうちの1人です。 今回は、ケイマンや香港の金融機関を利用した租税回避のお話しですが、どちらかと言うと人間関係をメインに描かれた作品で、堅苦しい感じはなく、とても読みやすかったです。そして面白かったです。 欲を言えば、マネーロンダリングのスキーム等がもう少し詳しく書かれていれば、もっと楽しめたかなと思います。 幸田真音さんの経済小説作品は、いつも勉強になります。2015/10/30

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