新潮文庫<br> 月光のスティグマ

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新潮文庫
月光のスティグマ

  • 中山 七里【著】
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  • 新潮社(2017/07発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 416p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101209616
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

幼馴染の美人双子、優衣と麻衣。僕達は三人で一つだった。あの夜、どちらかが兄を殺すまでは―。十五年後、特捜検事となった淳平は優衣と再会を果たすが、蠱惑的な政治家秘書へと羽化した彼女は幾多の疑惑に塗れていた。騙し、傷つけ合いながらも愛欲に溺れる二人が熱砂の国に囚われるとき、あまりにも悲しい真実が明らかになる。運命の雪崩に窒息する!激愛サバイバル・サスペンス。

著者等紹介

中山七里[ナカヤマシチリ]
1961(昭和36)年、岐阜県生れ。『さよならドビュッシー』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し2010(平成22)年にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

SJW

217
意表をつく展開の繰り返しと想定外の結末にはさすが中山さんと唸ってしまった❗幼馴染みの美人双子の優衣と麻衣は、淳平と震災が起きるまではいつも一緒だった。15年後、特捜検事となった淳平は捜査の対象となった政治家の秘書となっていた優衣と再会する。出てくる不条理はどれも聞いたことがあるものばかりで、関係者として実名に近い団体名や人名で心配してしまった。ここまで痛快に批判してくれると気持ちが良い。2019/02/21

nobby

130
うーん、恋愛ミステリーうたうも少し不要に感じるエロと、いろいろ詰め込み過ぎが残念な一冊…序盤の一卵性双生児な美人姉妹をめぐる思わせぶりな伏線や、阪神大震災での悲哀から15年後に再会する展開はお約束ながら非常に魅力的。反面そこからは、政権交代含む政治腐敗や震災・原発・テロなど時系列合わせての時事ネタへの作者の思いが終始語られ、物語自体スゴく薄っぺらくも感じる。その存在は優衣なのか麻衣なのか、兄は殺されたのかなど唐突に明かされる場面も無理やり究極な状況が作られている。衝撃なラストも強引さは否めない…2017/08/05

Yunemo

123
阪神・淡路大震災、東日本大震災、アルジェリアのテロ事件。この一連の大災害の中に翻弄されていく主人公達。何だか、胸にチクリと痛みが走る青春期、それを引き摺りながら、15年後社会人となっての再会。その状況の中で精一杯生きていく姿。甘酸っぱさから魑魅魍魎の世界に入っていく様は、なかなか理解し難くて。ちょっと自身の身を置き換えられない世界、そんな思いに捉われながら最後まで。いろんな意味で苦しみだけが、自身に迫って来ます。この苦しみって、現実的なところもあって、ただただ項垂れる自身、どうにかならなかったのですかね。2017/12/03

のり

111
幼なじみの双子の「麻衣」「優衣」と深い想いで繋がっていた「淳平」。中学までなんとも微笑ましい関係だったが、阪神・淡路大震災と前日に目にした事が起因となり状況が一変する。沢山の大事な人との死別。時が経ち偶然に再会した淳平と優衣の間には高い障壁が…特捜検事として内偵する側と秘密を守る者。磁石のような二人。引き寄せられたり、反発しあったりの痛々しさの先に待つ過去の真実と最善を尽くしての結末…2019/12/04

ま~くん

101
全く見分けのつかない双子優衣と麻衣。幼馴染の淳平と過ごした日々は宝物だった。その3人の関係性を壊してしまった未曾有の大震災。そして淳平の兄の刺殺事件。15年後、検事となった淳平は偶然優衣に出くわす。彼女は内偵中の政治家汚職の中心的役割を任されている疑いがあった。検事としての職務を全うするのか、幼き頃の誓いを守り通すのか。終盤は国内テロが発生した外国にまで飛ぶ。今迄の中山作品とはかなり毛並みの違う作品だった。大どんでん返しの期待は裏切られたが、第一部荻原浩、第二部池井戸潤、第三部は月村了衛的な感想でした。2023/08/15

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