出版社内容情報
ルネサンス、それは政治もまた偉大な芸術であった時代。戦乱と権謀の世を見事に生き抜いた女性たちを描き出す、塩野文学の出発点!若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には籠城戦の指揮もとる――。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。
塩野 七生[シオノ ナナミ]
著・文・その他
内容説明
若々しく大胆な魂と冷徹な現実主義に支えられた時、政治もまた芸術的に美しい。ルネサンスとはそういう時代であった。女たちはその時、政争と戦乱の世を生き延びることが求められた。夫を敵国の人質にとられれば解放を求めて交渉し、生家の男たちの権力闘争に巻き込まれ、また時には篭城戦の指揮もとる―。時代を代表する四人の女の人生を鮮やかに描き出した、塩野文学の出発点。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
99
面白かったです。塩野文学の原点とも言える作品ですね。ルネサンス時代を代表する4人の女性たちに焦点を当てて描いていますが、その人生は輝かしいものではなく、戦争と政治の世を生き抜かなければならないというのがよくわかります。冷徹な現実主義と芸術的な政治の時代がルネサンスという本来の歴史的姿を見たようでした。鮮やかに描かれた女性たちの生き様も印象的です。個人的にはやはりルクレチア・ボルジアが好きです。2017/05/25
レアル
73
ルネサンス期に生きた4人の女性を描いている。どの女性もそれぞれ生き方は違うけど、戦乱やその時代の運命みたいなものに負けずに全うした人生を送っている。塩野氏のこのような本を読むと、その時代をもう一度勉強したくなる。塩野氏の出発点のこの本。その彼女たちの「生き抜く生き方」に学ぶべき点が多い。。2015/06/26
優希
71
塩野文学の原点とも言える作品でした。ルネサンス時代を代表する4人の女性たちに視点を当てて描いています。大胆な魂と現実主義、美しい政治の時代。そんな中で戦争と戦乱の世を生きることを求められたのが女性たちなのですね。本来のルネサンス時代を見たような気がしました。2019/12/13
takaya
32
華麗な文化・芸術を生んだルネサンス時代のイタリア都市国家に渦巻いていた策略、裏切り。その中に生きた四人の女性の劇的生涯が、塩野氏の小説的語りで生き生きと描かれています。同じ時期に戦国時代で策略、裏切りが当たり前だった日本と重ね合わせつつ、ルネサンス時代のイタリアの歴史は、塩野氏の言うようになにか芸術的展開のようにすら感じられてしまい、引き込まれました。2021/03/31
たんかれ~
28
芸術を愛し、絶妙な政治バランス感覚で国難を乗り切ったイザベッラ・デステ、兄チェーザレに政略的に酷使され、時代に流されながらもそれに逆らわず、その中で女の幸せを求め続けたルクレツィア・ボルジア、メンタル強すぎで金と権力と恋に生きたじゃじゃ馬カテリーナ・スフォルツァ、祖国ヴェネツィアの意に翻弄され続けたキプロス王妃カテリーナ・コルネール。4人とも魅力的です。彼女たちを通して、ルネサンス期の時代、国家、男性を描いてます。ゲーテの言葉「女を知ることは歴史の真実を知ること」納得。2020/07/17