出版社内容情報
偉大な君主ロレンツォ・デ・メディチを失った後、親フランス路線をとったためにイタリア国内で孤立してしまうフィレンツェ共和国。第二書記局書記官の職を得たマキアヴェッリは、祖国の独立を守るために東奔西走する。しかし一度はフィレンツェを追われたメディチ家が復活したことで運命の歯車が変転する。権力闘争に巻きこまれ、ついには公職から追放されてしまうのだった――。
内容説明
偉大な君主ロレンツォ・デ・メディチを失った後、親フランス路線をとったためにイタリア国内で孤立してしまうフィレンツェ共和国。第二書記局書記官の職を得たマキアヴェッリは、祖国の独立を守るために東奔西走する。しかし一度はフィレンツェを追われたメディチ家が復活したことで運命の歯車が変転する。権力闘争に巻きこまれ、ついには公職から追放されてしまうのだった―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
82
大学も出ておらず、家柄もないマキャベッリは、政府官房のような場所で書記官として就職。外交使のように時間稼ぎや情報収集にあちこちに送られたが、その先にはフランス王やチェーザレもいた。自国の政治的優柔不断さ、資金力のなさ、軍隊のないことを、身をもって知っただろう。30代半ば、軍隊の大切さを大統領に説き、自国の軍隊編成に着手し、総指揮官にチェーザレの右腕だったドン・ミケロットを就任させた。しかし、1512年、メディチ家のクーデターにより、大統領は追われ、マキャベッリは牢に入れられる。2015/03/09
KAZOO
73
マキアヴェッリの第2巻です。やっとマキアヴェッリが登場してきます。彼の仕事ぶりや人間がよく描かれていて1巻の歴史的記述よりも面白く興味惹かれます。メディチ家がフィレンツェに戻ってきて、追放、入獄されたりします。解説の佐藤優さんが自分と似ているということでかなり細かに書かれています。2015/07/05
レアル
59
ノンキャリ官僚のマキアヴェッリ時代が描かれている。当時のイタリアでの公務員という仕事や史料やそれらからの推測でのマキアヴェッリ という人柄についての著者の考察が良い。そして後半のメディチ家の返り咲きからの転げ落ちるようなマキアヴェッリ の運命。当時の時代背景とマキアヴェッリ を取り巻く環境も分かり易く書いてくれているので理解しやすい。そして佐藤優氏の解説。この本の解説になっているかどうかは別にして、マキアヴェッリ と同じような体験をしたとして描かれている読み物。これはこれで面白い!ラスト3巻へ。2017/07/11
アイゼナハ@灯れ松明の火
38
第二部では、ノンキャリア官僚としてのマキアヴェッリの仕事中毒ぶりが生き生きと描き出されてます。使い倒されている気もしますけど、本人も『欲張り婆さんのように』仕事を抱えて離さなかったという表現に笑ってしまった。天職だったんだろうなぁ…それにしても、こんなにユーモアに溢れた人物だとは思ってなかった(笑)仕事師だっただけに、メディチ復権とともに切り捨てられるなんて想像もしてなかったんだろうね。ここにきてようやく、解説が鈴木宗男疑惑で職を解かれた、元外務省官僚にして作家の佐藤優氏であることに得心。面白い仕掛け。2011/05/21
kawa
35
官吏としてのマキアヴェッリの15年を描く。ノンキャリから、ひたすらこき使われ官房副長官的な地位まで上り詰める。しかし、フィレンツェに迫ったスペイン軍に連動したメデイチ家の復権により、トカゲの尻尾斬的に牢獄に繋がれてしまう。解説を担当する元・外務省職員・佐藤優氏を彷彿する彼の人生。解説者選定が秀逸で本文に負けない面白さ。2020/03/24