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新潮文庫
隠居の日向ぼっこ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 179p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101149219
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

はこぜん、きせる、ふさようじ、ひごのかみ、はいちょう、へちま、ねんねこ、おひつ、ゆたんぽ、はたき…。江戸から昭和の暮らしを彩った道具たち。いまも伝わる暮らしの小物や、懐かしい想い出のまつわる、いまはなき品々。四季折々の風物でもある「もの」たちを、愛情こめて綴る。人肌のぬくもりを感じさせる味わい深い文章を、漫画作品から選んで添えた挿画とともに楽しめるエッセイ。

目次

春(踏み台;浮世絵 ほか)
夏(ふさようじ;ひごのかみ ほか)
秋(黒髪;櫛 ほか)
冬(座布団;貧乏徳利 ほか)

著者等紹介

杉浦日向子[スギウラヒナコ]
1958‐2005。東京生れ。文筆家。「通言室乃梅」で漫画家としてデビュー。以来、一貫して江戸風俗を題材にした作品を描き、1984(昭和59)年『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞、’88年『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞を受賞。エッセイストとしての著書も多いが、『ごくらくちんみ』『4時のオヤツ』では小説家としても腕の冴えを見せた。2005(平成17)年7月、下咽頭がんのため46歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

343
早々とご隠居生活に入った日向子さんによる、四季折々の道具に寄せる断想。ここで語られている道具の多くは、江戸から昭和初期のもの。ご自身の絵とともに、いつもながら「はんなり」、「まったり」とした風情がただよう。それは「古き良き時代」を懐かしむといったものではなく、美意識や価値観そのものをパラダイムシフトさせたものである。逆説的なのだが、それは過去でありながら、未来的な姿でもある。美意識について目を開かれたのが「お歯黒」。「当時は男女ともに、それを醜いと思うどころか、成熟した魅力と感じていた」のだそうだ。2013/03/17

優希

87
四季折々と共に彩られた古き良き物の数々。江戸時代から昭和の暮らしに味わいを添えていたのですね。今は無き風流が昔には日常のように溶け込んでいた。そう思うと現代は如何に味気なく日々が過ぎていくように感じます。江戸時代に通じる著者ならではの文章と挿絵がまた良いなと。2017/12/05

kinupon

72
これを読んでいたら、家にも結構いろいろなものが残ってるって気が付きました。蚊帳は今でも使ってます。便利ですよ。2018/08/17

キジネコ

62
吉田の篤弘さんがね、おいしいとこ解説で持っていきゃあがった。「ちうぐらい」の幸せの程、ってね。喜怒哀楽の上中下、松竹梅。白だ黒だ、は無粋の極み。昨今江戸言葉も方言、訛りの仲間入り。西の京、東の江戸、に張り合う津々浦々。横目、すがめで隣の芝に妬み嫉みの青筋、恨みつらみをやるよりも痩せの我慢を張ってみましょの心意気、背負うもんにも意地だ、我慢だ、見栄だあ矜持だ!がちらほらと。そういうのがいいんじゃねえの?って気分になって来る。縁側でお天道様と御隠居さんの無限の間尺で日向ぼっこの猫の呑気。脳がゆっくり解れてく。2019/02/23

Gotoran

51
梨木香歩エッセイ『不思議な羅針盤』繋がり、杉浦日向子作品第2弾。漫画家であり江戸風物研究家が、最も得意な江戸の風俗、「物」に照準を当て自ら描いた漫画絵入りで簡潔な文章で、面白ろ可笑しく、温かく伝えてくれている本書。春夏秋冬毎に分類された「物」達(踏み台、ふさようじ、黒髪、座布団・・・)、懐かしい風物がいっぱい、生活道具への慈しみと子供時に目にしたり使ったことが甦る昭和の懐かしさ。江戸情緒たっぷりの杉浦日向子ワールドを満喫!46歳の若さで亡くなっている。惜しい人を亡くしたものだ。他著作も是非とも。2014/02/16

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