出版社内容情報
信濃路の湖に沈められた謎の木箱を追う田代の周囲で起る連続殺人! ふとしたことから悽惨な事件に巻き込まれた市民の恐怖を描く。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
54
フリーカメラマンの主人公が、次々と失踪する知人を追っていくうちに、政治家と繋がる大掛かりな犯罪グループによる謀略に巻き込まれていく。序盤から飛行機、バー、仕事場と、偶然出会った謎の小太りの男に対して、好奇心に駆られて荷物を調べたりと不自然な展開が目立つが、信州の湖を訪ね歩く場面でのテンポの良い展開と旅情豊かな風景描写、主人公が事件に巻き込まれて危機に陥っていく様の緊張感や迫力は流石の筆力。恋愛要素が本筋からやや乖離していて興醒めするのも残念、女の存在感がなさすぎる。仕事の抱え過ぎは良い結果をもたらさない。2019/05/08
しーふぉ
27
砂の器などに比べると有名ではないと思うけど旅情もあり面白かった。2020/01/10
しーふぉ
22
謎の女が出ないと松本清張じゃないですね。量産期に書かれたものらしく独創性はないかもしれないけれど楽しく読めます。2023/02/13
みっぴー
21
飛行機の中で知り合った謎の美女が、物語にどう関わってくるのか、序盤はワクワクしっぱなし。バーのママが失踪という事件も、謎に拍車をかけます。が、どうも偶然が重なりすぎて不自然な展開に。ちょっとこれは都合がよすぎないか?というエピソードが挿入されるにつれ、熱が少しずつ冷めていきました。ですが、フリーのカメラマンが、(主に好奇心から)巨悪に立ち向かうが、気がついたときにはもう後戻り出来ないレベルまで来ていた、というストーリー展開は、何度読んでも引き込まれます。死体の処理方法が恐ろしい。2017/05/09
黒猫
20
東京と信州地方を舞台にが目まぐるしく物語が展開されていく。前半は静。後半は動。友人、新聞社、警察、地元民、銀座のキャバレー、喫茶店、などを巻き込みながら、次々と主要人物が失踪。どうなったんだ!と思うまもなく、混沌とした清張ワールドへ。政治的利権に抗えない弱者、利を取りながらも友人を裏切れない友。黒いものが渦巻く中で、読者を惹き付けるのが、飛行機の中で見た美しい女。この女は最後どうなるのか?読みながら私も主人公に感情移入していました。これは、推理小説であり、一種の恋愛小説でもあり兎に角面白かった!本当に。2016/10/24