新潮文庫
家族の昭和

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  • サイズ 文庫判/ページ数 314p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101107165
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

戦争を経験した「昭和」という時代に、日本人を取り巻く状況は劇的に変化した。経済では全てを失いながらも、瞬く間に飛躍的成長を遂げ、人々の精神や生活習慣も大きく変貌した。そしてその激動の原動力となったのは家族の存在だった。向田邦子、吉野源三郎、幸田文、そして「金曜日の妻たちへ」…。時代を描く作品に登場する様々な「家族」の変遷からみる「昭和」の姿。

目次

1 「戦前」の夜―向田邦子『父の詑び状』と吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(平伏する父;稼ぐ娘 ほか)
2 女性シングルの昭和戦後―幸田文『流れる』ほか(女だけの家;向島の生家 ほか)
3 退屈と「回想」―鎌田敏夫「金曜日の妻たちへ」ほか(「妻たち」の昭和末;「回想」する彼ら ほか)
終章 家族のいない茶の間

著者等紹介

関川夏央[セキカワナツオ]
1949(昭和24)年、新潟県生れ。上智大学外国語学部中退。神戸女学院大学特別客員教授。2001(平成13)年、『二葉亭四迷の明治四十一年』など、明治以来の日本人の思想と行動原理を掘り下げた業績により司馬遼太郎賞受賞。著書に『ソウルの練習問題』『海峡を越えたホームラン』(講談社ノンフィクション賞)『昭和が明るかった頃』(講談社エッセイ賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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泉を乱す

6
「昔はよかった」系エッセイでちょっと残念。2022/03/16

廊下とんび

4
非核家族の家族形態は子供が祖父母から日々老いることを学べる。老いと死を学ぶことは生きる事を学ぶこと。今の時代は祖父母と別居、たまに会いに行ってお小遣い貰って甘えさせて貰って老人の良い所しか見ない。街中で見かけるわがままな老人と自分の祖父母を比較してイラついたりする。老人はもともと偏屈頑固、ずっと祖父母と一緒に暮らしていればそれを理解することも出来るだろう。かつては偏屈頑固老人に対しても爺さんしょうがないなあもう・・と言いつつも耳を傾けてあげる寛大さ優しさが社会にあった2015/04/29

ジョニー出ッ歯

3
昔はみんな、責任感を持った活動家だった・・。今は他人任せな世の中だけどさ。2010/11/08

tecchan

2
向田邦子や幸田文の自伝的小説などに表された家族の姿から、昭和初期から終わりまでの日本の家族や家庭の変遷を描いている。こうして見ると、我が国の家族・家庭が短期間の間に大きく変わって来たことに改めて驚かされる。子供の頃の家庭の姿を思い出した。2018/05/14

ヘンリー

2
著者によると、戦前の家庭のモラルや文化は昭和30年代の中頃までは生きてたって話だが、自分の幼児期を思うとなるほどそんな気もする。それはそれとして、色街に憧れるオレは、さっそく幸田文の『流れる』を購入。成瀬巳喜男の同タイトルの映画も見ないといかんね。2011/04/21

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