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新潮文庫
刑務官

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  • サイズ 文庫判/ページ数 409p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101037219
  • NDC分類 326.52
  • Cコード C0195

内容説明

私は一九六七年、大阪刑務所の看守になった、祖父、父に続き三代目の刑務官であった―。官舎で育ち、以来半世紀、全国の獄を回った著者だからこそ書ける、生々しい内側。死刑執行に立会い、所内殺人を目の当たりにし、ある日には脱獄者を追う。一方で受刑者の酷い処遇、服務違反を目撃。なぜ獄中での不審死が相次ぐのかにいたるまで、その闇を鋭く告発する。

目次

第1部 死刑(死刑執行;死刑と向き合った男たち)
第2部 刑務所内の重大事件(殺人;恐ろしい新入苛め ほか)
第3部 平成監獄事情(日本の監獄の特質;刑務官 ほか)
第4部 「階級社会」のはざまで(女子刑務所;認められなかった過労死 ほか)
第5部 名古屋刑務所刑務官暴行事件と刑務所改革(最新刑務所事情;一石を投じた現職看守部長 ほか)

著者等紹介

坂本敏夫[サカモトトシオ]
1947(昭和22)年、熊本県生れ。法政大学法学部中退。’67年、大阪刑務所管理部保安課看守を拝命。以後、神戸刑務所処遇係長、大阪刑務所処遇係長、法務大臣官房会計課主任、東京矯正管区矯正専門職、長野刑務所課長などを経て、広島拘置所総務部長。’94(平成6)年3月、退官。二条睦名義で小説も執筆
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hatayan

39
2003年刊。元刑務所の刑務官が早期退職した後に所内の不条理を告発。 受刑者の間ではいじめや暴行が横行、看守の弱みを握って立場を逆転させようとする元暴力団員が実際にいたこと、刑務官の勤務制が週休2日になり勤務時間が減った分受刑者を個別に見守る余裕がなくなり管理を強める方向に舵を切らざるを得なかったことなど。後半は、尊大で保身に走る幹部の犠牲になり過労死を強いられた先輩職員、身に覚えのない罪を自白するよう上司に強要され法廷で争う刑務官の闘いなど、極度に閉鎖的な刑務所内で起きる人間関係のトラブルが綴られます。2019/12/20

うたまる

4
「隊長、辛抱しろよ。刑務所の会議なんてこんなもんだよ。所長の御前会議さ……まあ、あんたの課長みたいなのが、出世もするし、一番うまい生き方というところかな」……元刑務官による告発本。まだ退職したばかりの頃に書かれたため文章のそこここに怨みが滲んでおり、理不尽な上司との遣り取りはリアル横山秀夫の観あり。また理想論に振れがちだった受刑者への眼差しも、文庫化に際し加えられた5章を読むとニュートラルなそれに変化した模様で好感。しかし、本書で刑務所の問題を概観できたのはいいんだけど、矯正なんてどうにもできなさそうだ。2015/09/03

zunbe

2
小説ではなくドキュメンタリーだった。刑務所で実際起こっている事が自身の体験を元に書き記されている。文章としては、話があっちこっちに飛ぶ感があってまとまらず、そのせいか、ところどころに織り込まれている著者自身の刑務所行政に関する思いや考えがあまり響いてこない。読み手側が積極的に「刑務所について考える」姿勢で読まないと、著者の言わんとする事が伝わってこない感じがする。しかし、刑務所というものが我々一般人には縁遠いものであるが故、刑務所行政は閉ざされたままであり、それは様々な問題の元凶であろうと思う。2015/02/16

サクサクぽいぽい

1
興味深く読んだ がじいさんの思い出話を思わせる心情の偏りや順番的にとっちらかった印象が強いのが読みにくくさせている気がします もう少し読みやすければ私にもももっとはっきり理解できたのになぁ2014/12/04

0
20030601

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