新潮文庫<br> 評伝 石牟礼道子―渚に立つひと

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新潮文庫
評伝 石牟礼道子―渚に立つひと

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  • サイズ 文庫判/ページ数 480p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101018515
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

『苦海浄土 わが水俣病』の発表以来、文学界でも闘争の場でも神話的な存在であり続けた、詩人にして作家・石牟礼道子。しかし、水俣病に対する告発という面にとらわれすぎると、その豊饒な世界を見失いかねない。不知火海を前に育った幼年期から、文学的彷徨、盟友・渡辺京二との交流、苦闘の日々、暮らしと命を見つめてやまなかった晩年まで、創造の源泉と90年の軌跡を綴った初の本格評伝。読売文学賞評論・伝記賞受賞作品。

目次

栄町とんとん村
代用教員
虹のくに
サークル村
奇病
森の家
水俣病闘争
行き交う魂
流々草花
食べごしらえ
手漕ぎの舟
魂入れ
不知火
道子さんの食卓

著者等紹介

米本浩二[ヨネモトコウジ]
1961(昭和36)年、徳島県生れ。徳島県庁正職員を経て早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。在学中に『早稲田文学』を編集。毎日新聞記者。石牟礼道子資料保存会研究員。著書に『評伝 石牟礼道子―渚に立つひと』(読売文学賞評論・伝記賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

28
石牟礼道子の評伝。生涯と作品を丁寧に辿り、若い日の自殺未遂や自死を遂げた歌友との交流もきちんと押さえつつも敬愛の思いに溢れ、読売文学賞が頷ける本でした。破産した土建業者の家に生まれ戦後すぐに〈農家の嫁〉になった女性がいかに文学への道を切り拓き得たのか、短歌からサークル活動、谷川雁、上野英信ら九州を拠点とした文学者や橋本憲三との出会い、水俣との関わりなど、戦後史としても非常に興味深く読めます。渡辺京二との交流については同じ著者が『魂の邂逅』という本を出したところなので、それを読むのが楽しみとなりました。2021/01/13

呼戯人

26
三十年ほど前に、「苦海浄土」を途中で挫折してから、ずっと気になる作家だったが、ようやくその評伝を読むことができた。石牟礼道子の凄さが、この本のあちこちで光っていて、読売文学賞を受賞したのも分かる気がする。水俣病という近代の病が集中して現れた世界史的事件に、渡辺京二らとともに水俣病闘争の中心にいて、これを告発する運動を続けた石牟礼の魂の鼓動が伝わるような本である。この世との孤絶に悩む石牟礼の魂が、その文学を作り出したように、私達はその文学を受け継いで近代批判をおこなわなければならない。2020/03/04

Masakazu Fujino

15
とてもいい本でした。石牟礼道子は「苦界浄土」をはじめ、何冊か読んだが、彼女自身のことは、小説以外あまり知らなかった。渡辺京二との関わりとか、3月11日生まれとか、改めて知ることも多く、みなまたびょうの患者さんたちの闘いも彼女が先頭に立っていた(渡辺京二氏とともに)ことも、初めて知った。読めてよかった。2020/11/06

ピンガペンギン

13
石牟礼道子の作品は未読だが、高群逸枝の本を検索していた関係で表示されていたらしく読んだ。変わった近づきかたになった。(石牟礼さんは高群逸枝のことを慕って高群の死の間際に手紙を送る。その後、石牟礼道子は高群逸枝夫婦の評伝?を書いた。)「苦海浄土」が池澤夏樹個人編集の全集に入っているというのは知っていた。それは世界文学全集に入っている。そして日本文学全集にも別の作品で1巻をとっているという評価なのだった。「苦海浄土」のことを水俣病に関するノンフィクションに近い作品だと思っていたが、盟友の渡辺京二氏によると→2023/01/15

yuki

8
石牟礼道子さんの描く世界が新しい姿で伝わってきました。たくさんの発見がありました。作品にでてくる人々が目の前に浮かんでくるようです。2020/05/16

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