新潮文庫
百万遍 古都恋情〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 576p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101013299
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

あてもなく京都にたどり着いた惟朔。流れ者の巣窟・京大西寮を仮の宿りとしての、気ままな生活が始まった。個性的な青年たちと友情を結びながら、少年は、さまざまな女と運命を絡ませてゆく―。夜這いで遭遇した小百合、瞬間で心を奪った鏡子、熟した芳香をはなつ毬江。惟朔と女たちは互いに求め合い、交わり続ける。性という狂熱に果てはあるのか。永遠のテーマに挑む傑作長編。

著者等紹介

花村萬月[ハナムラマンゲツ]
1955(昭和30)年、東京生れ。’89(平成元)年、『ゴッド・ブレイス物語』で小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。’98年、『皆月』で吉川英治文学新人賞を、『ゲルマニウムの夜』で芥川賞をそれぞれ受賞。人間の生の本質に迫る問題作を、発表し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

30
京大のそばの百万遍が主要な舞台。著者の自伝である為か若さゆえか切なくロマンチック。著者の体験が凄まじく、羨ましいというより嫉妬してしまった。世界でベストセラーになった fifty shades of gray よりエロくずっと面白く知性も感じる。エロさに際立つ作品で過去5年間のエロ度ベスト3に入ってくる。女性の美しさや妖艶さが文章から伝わってきた。満喫した上巻。下巻は如何に!2017/06/24

jeltong

5
物語の設定は1970年前半。通ってきた時代だけにそんなものもあったっけな っていう場面が描かれていました。場所は京都市。観光地としてのそれではなく市民目線で市内を案内してもらえた気にさせてくれました。登場する男たち。若さゆえか、ヒッピーだか風来坊だか、ユラユラとただ日々の流れに漂っているかのような面々ばかり。それでもなんとかなるみたいな空気、この時代の豊かさを感じました。主人公たるイサクの達観ぶりはなんだろう?物語には前段があったとは。。描写が濃すぎてクドい感はいなめませんでした。遡るか否かは後半次第だな2020/07/11

つちのこ

2
内容をひと言で表現すると、“爽やか”。 著者が得意なテーマ…暴力やドラッグ、性、音楽、自堕落且つ破天荒な生き方…ディープな描写が目一杯溢れている割には、読後感は爽やかなのだ。 おそらく、主人公の惟朔を自分の少年時代に投影しながら読んでいたことにもよるが、爽やかさを感じるのは、破天荒な生き方の裏に見え隠れする一本筋が通った生真面目さや、素直に女性にモテようと努力する主人公を通して、緊張と弛緩の両方を見ることができるからだろう。(2010.2記) ⇒続きは下巻の感想で。2010/02/08

笑笑

2
とりあえず檸檬も読まなきゃ2017/03/21

ELM

0
面白くはある。が、所々に難しい漢字や表現があり四苦八苦した。「下膊(かはく)」「蟀谷(こめかみ)」等、挙げたらキリがない。作者はよっぽど自分のことを頭が良いように見せたがっているかのようだ。文豪たちの時代ではないのだから、読める文を書いて欲しかった。あとP,259/10〜14行が惟朔と鏡子の出会いの場面。惟朔は目をこすっているのにいつ気がついたのか突然「おい」と不躾に鏡子に呼びかけるのだが、普通なら「おい」の前に鏡子が河川敷に現れたことに惟朔が気付くという描写があるべきだ。あと惟朔が生意気すぎて大嫌い。2009/07/04

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