感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
55
『幽麗塔』からハマってるのだが、今回も切り口が凄まじい。アウトローな児相職員・夏目アラタが首を突っ込んだのは、拘置された殺人鬼との駆け引き。話を続けるためのブラフが迷走していく・・・殺人鬼との結婚へと。二人の腹の探り合いが面白い。アラタの想定の斜め上をゆく殺人者・品川真珠の発言を必死に切り返していくアラタ。互いに会話を誘導し主導権を握ろうとするガラス越しの対峙。次第に周りの人間をも巻き込む事態を、アラタはどうコントロールしていくのか。いや、もう術中か?2019/12/01
神太郎
43
乃木坂さんのが久々になんか読みたくなりこちらを。タイトルからは想像もつかないサスペンスものです。殺人鬼との腹のうちを探りながら言葉を交わしていく感じはとてつもなくハラハラドキドキ。主人公アラタがこういう見てくれのわりにかなりの切れ者で良い感じ!直情的な部分もあるが、それだけではない相手の感情をしっかりと推し量ってるのが良い。しかし、ここから二転三転しそうな展開は間違いなくあるわけで。絡めるか絡められるのか……。うーん。ちょっと楽しみ。2020/04/02
BUBI
32
牢獄の中の殺人鬼の女性に口から出まかせでプロポーズしてしまうやんちゃな公務員、夏目アラタ。面白いなぁ、これ。殺人で死刑がほぼ確定の品川真珠のキャラがレクター博士のようで、とても好みです。アラタは、どうせ彼女はシャバには出てこないだろうとタカを括ってますが、出てきたらどうすんの? ホントは彼女が怖いくせに。表紙の真珠がウェディングドレス姿なので、彼と彼女が本当に結婚して一緒に暮らし始めるんじゃないかと大期待。真珠は頭が良く容易に本心を見せない恐ろしい女です。アラタくん、なめてると喰われるわよ!2019/12/05
トラシショウ。
30
「もし、万一ボクが外に出てきたら、ボクと一緒に暮らせる?」「もちろん!(出てこれる訳ねーだろ、おめーは「死刑」だ!!)」「──じゃあ・出るね」。自身の家庭環境から結婚に希望を持てず、児童相談所の仕事を持て余し気味にこなす30代の夏目アラタ。担当児童の為に連続殺人犯・通称「品川ピエロ」として拘留中の品川真珠と逢う事になった彼は、話の流れと行きがかり上、彼女に結婚を申し込む羽目に。未だ謎の多い事件の真相、担当弁護士の気付いた不可思議な点が交錯する中、何とかして繋がりを持とうとするが・・・(以下コメ欄に余談)。2019/12/01
瀬谷
20
薄気味悪く怖さも感じられる笑顔が、だんだん魅力的に見えてきてしまうヒロインなのはさすが乃木坂先生。表情の見せ方や謎の明かし方が巧みで、作品に惹き込まれる。 読み始めてすぐに、アラタと真珠の心理戦から目が離せなくなっていた。2人の過去や仕事の話も重いものがあるが、アラタのスッキリした性格のおかげで読み進められた。 これから話がどう展開するのか、続きも楽しみ。2021/02/19