出版社内容情報
孫文から習近平まで紅い皇帝たちの権謀術数
中国共産党内で習金平が胡錦濤の後継者に決定した。ここに至るまで、共青派、上海派、太子党入り乱れての権力争いは熾烈を極め、盗聴、怪文書、メディアへのリーク、果ては殺人事件まで絡んだ。
薄熙来事件はその典型だった。妻はファンドマネージャーだった英国人を殺害させ、習近平打倒のクーデタまで図っていた薄熙来が海外に不正送金していた額は何と1000億円以上!息子の留学先のロンドン、ボストンには豪華マンションとスーパーカーを買い与えていた。ちなみに薄の月給は12万円あまりだった。こうした巨大スキャンダルが現在の中国にはゴロゴロある。
孫文から毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤そして習近平まで、「紅い皇帝」たちは日本人の想像をはるかに超えた権謀術数で政権を奪取し、維持して人民に君臨してきた。そして、習近平の新体制でも「反日」は続く。
中国分析の第一人者・宮崎正弘氏が豊富な情報と現地取材で、魑魅魍魎が跋扈する政権交代の内幕をつづる。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者は年に何度も中国を訪れる。最もくま無く中国を見てきた日本人の一人である。そうした日本人は中国べったりになりがちだが、宮崎氏はあくまで日本人の立場から、中国の批判すべき点はきちんと批判してきた。表面的なきれい事の中国像ではないリアルな共産党政権の内幕が手に取るように理解出来ると思う。
プロローグ 天下を取れば匪賊が貴族になる
「天下為私」「敬金愛党」/なぜ徳川家康が中国人にモテるのか/「社会主義史上経済」は強盗の理論
第1章 習金平の「国盗り」=権力闘争の凶暴化
歴史とは権力者がでっちあげる物語/薄熙来事件(重慶の変)の本質/利権争奪戦から見る薄熙来事件/上海派と太子党の共闘/習金平は“最弱の国家主席”になる
第2章 孫文を国父とまつる歴史改竄
混乱の辛亥革命前夜/日本が辛亥革命の策源地/袁世凱の処世術/袁世凱の腐敗と孫文の裏切り/裏切られた革命
第3章 毛沢東は「偉大」だったか
毛沢東の国盗りは朱元章の真似/日本軍なかりせば毛沢東政権はありえなかった/共産党が誇大宣伝した蒋介石の横領額/後継者・華国鋒は毛沢東の庶子
第4章 トウ小平の王朝簒奪と国家改鋳
「社会主義市場経済」とは「共産党好都合市場化」/トウ小平時代に進んだ腐敗/平和を求めれば、中国では売国奴に/趙紫陽の欠陥は何だったのか/軍の掌握と政敵の排除
第5章 商売人・江沢民の国盗り
軍に破格の優遇政策/政敵・陳希同の運命/「反日」を政権掌握の武器に悪用/「反日」は国民を束ねるアヘン/領海法で他国の領海を強奪/物質文明に毒されていなかった時代/汚職には寛容/しぶとく暗躍する江沢民
第6章 負の遺産を受け継いだ胡錦濤
ひ弱な胡錦濤政憲、重要事項は合議制/薄熙来事件が物語る党の弱体化/「中華人民共和国」は漢族独裁国家/次の金融センター=深センの争奪戦/次はマカオの利権を押さえろ/GDPは30年で30倍に/内モンゴル自治区で頻発する暴動/山積する者会矛盾と暴動/若者の怒りと失業者が溢れる社会/団派が指導したデモが反政府デモへ
エピローグ 習金平の中国はどこへ行くか
グンと情報部の暴走を押さえられない/世界の基軸通貨を目指す
内容説明
秦の始皇帝以来、中国では幾多の王朝が起こっては消えてきた。無一文の「匪賊」も、天下をとれば皇帝となる。現代でもそれは同様だ。孫文から胡錦涛、そして2012年秋、総書記就任の習近平まで、「紅い皇帝」たちは日本人には考えられない権謀術数で政権を奪い、国の富を独占してきた。収賄や職権乱用でのしあがり、罪のなすりつけや投獄でライバルを貶め、冤罪で死刑にする。絶大な権力と地位のためなら、殺人すらいとわない―。中国観測・分析の第一人者が、頻繁な現地取材から、中国の政権交代のすさまじい内幕を明かす。
目次
プロローグ 天下を盗れば匪賊が貴族になる
第1章 習近平の「国盗り」=権力闘争の凶暴化
第2章 孫文を「国父」と祀る歴史改竄
第3章 毛沢東は本当に「偉大」だったか
第4章 〓(とう)小平の王朝簒奪と改鋳
第5章 商売人・江沢民の国盗り
第6章 負の遺産を受け継いだ胡錦涛
エピローグ 習近平の中国はどこへ行くか
著者等紹介
宮崎正弘[ミヤザキマサヒロ]
1946年金沢市生まれ。早稲田大学中退。編集者を経て、論壇へ。国際政治、経済の舞台裏を独自の情報で解析する評論やルポルタージュには定評がある。同時に中国ウォッチャーとして中国33省を踏破、開業した中国新幹線もすべて乗り尽くしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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