出版社内容情報
’94年に写真集『たんぼ』を出版し、大きな話題となったイギリス人写真家ジョニー・ハイマスの続編。日本の文化と暮らしの基本を決めてきた、おこめが、どのように作られるかが、美しく判りやすく理解できる写真絵本。
「ごはんつぶを残すと、バチがあたる」と今の子どもたちは言われているのだろうか? 写真家・ジョニー・ハイマス氏を交じえた編集会議で、こんな話題が出た。ジョニー・ハイマス氏は、日本に暮らして20年余。たんぼの美しさに魅せられて、日本中を旅しながら風景としての水田を撮り続けてきた写真家である。彼の興味は、たんぼの風景から、もう一歩進んで、おこめそのものに向けられていた。水や空気と同じように、日本人の暮らしの中に、あたりまえのように存在している「おこめ」が、どのように作られていくのか、知っている人はそれほどいないのではないか。又、日本の農業の現況を見ると、ますます知らない人が増えていくのではないか。そこで、判りやすく美しい写真集で、子どもから大人まで見ることのできる本を作ろうと考えた。新潟県松之山町の稲作農家にお願いして、種もみの選別から、稲刈り、脱穀までの全過程を2年にわたって取材した。人の営みと同時に、それぞれの時期の水田の美しさも押さえてある。特に、稲の花は、ほんの数時間しか咲かない可憐なものである。エッセイには、ご自身も米作りをしている立松和平氏。この一冊を見ると「ごはんつぶは残さない」と思っていただけると信じ