出版社内容情報
上代から江戸期に至る日本漢詩を最新の研究成果により詳解する。
日本に漢字が伝わったのは、土器などの考古学資料に拠れば、紀元一世紀ころ、漢籍としての伝来は四世紀ころと言われています。以来私たちの祖先は大変な苦労と年月を重ねて、本来は外国の典籍であった中国の古典を、訓読という世界にも類を見ないような方法で読むことを発明しました。そしてそれは、日本文化の重要な一翼を担う漢詩・漢文という分野となって我が国の伝統文化を形成してきました。中国古典籍の理解・享受からさらに発展した日本漢詩文は、上代以来江戸時代まで、脈々として絶えることなく常に日本古典文学の礎石として流れ続け、現在に至っています。その精華144人、427首を最新の研究成果を基に、原文・訓読文・頭注・現代語訳で詳解します。
菅野 禮行[スガノ ヒロユキ]
著・文・その他/翻訳
徳田 武[トクダ タケシ]
著・文・その他/翻訳
内容説明
日本人の作った漢詩は、『懐風藻』以来、膨大な量になり、江戸時代に至るまで、脈々として絶えることなく、日本古典文学の底流として流れ続け、今日に至っている。その精華、144人、427首を、訓読文・原文・頭注・現代語訳で詳解する。
目次
上代(宴に侍す(大友皇子)
山斎(河島皇子) ほか)
中古(一)
(神泉苑の花の宴に、「落花の篇」(嵯峨天皇)
秋日深山に入る(嵯峨天皇) ほか)
中古(二)(早秋(島田忠臣)
紙を乞ひて隣舎に贈る(島田忠臣) ほか)
中古(三)(暮春、右尚書菅中丞が亭に(大江以言)
林花落ちて舟に灑ぐ(高階積善) ほか)
中世・戦国(偈(無学祖元)
春望(虎関師錬) ほか)
近世(一)(新居(石川丈山)
大人(石川丈山) ほか)
近世(二)(中秋の作、第四首(新井白石)
癸卯中秋、感有り(新井白石) ほか)
近世(三)(田家雑興(秋山玉山)
阿蘇の池煙を望む、水斯立の(秋山玉山) ほか)
近世(四)(浅間岳の焼石に題す(西山拙斎)
京を発す、諸友に留別す(柴野栗山) ほか)
著者等紹介
菅野禮行[スガノヒロユキ]
1929年、福島県生れ。東京教育大学卒、同大学院文学研究科(修士課程)修了。中国古典学専攻。文学博士。東京成徳大学客員教授
徳田武[トクダタケシ]
1944年、群馬県生れ。早稲田大学大学院修了。近世文学専攻。明治大学教授
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