松浦宮物語・無名草子

松浦宮物語・無名草子

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 349p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784096580400
  • NDC分類 918
  • Cコード C1393

出版社内容情報

頭注・原文・現代語訳が同一ページ。詳しい解説と付録。二色刷。

『松浦宮物語』は小倉百人一首で名高い藤原定家の実験小説。舞台を中国にまで広げたまさに波瀾万丈のスペクタクルです。本格的注釈の待たれる作品でした。時代は藤原の宮の御時、主人公の弁の少将氏忠は、容貌・才覚ともに抜群にすぐれ、学問一途、色事におぼれることもなかったのが、神奈備の皇女を見て心を奪われます。しかし、皇女は程なく入内し、少将も遣唐副使に任ぜられて渡唐。唐に渡ってからの氏忠は、唐帝のおぼえもめでたく、ある夜、老翁に出会い琴を習いました。そして翁の勧めで唐帝の妹華陽公主から琴の秘曲を授かりますが、公主の美しさに心乱れた氏忠は、約束した禁中で神秘的な契りを結ぶのでした。しかし公主は日本での再会を予言して息を引き取り、やがて唐帝も亡くなって、反乱が起こります。残された母后と新帝を助ける氏忠の神変不可思議な大活躍により、反乱は鎮圧。平和が戻ったある夜、氏忠は山里で簫を吹く妖艶な女と出会い契りますが、その女の薫りは母后と同じものでした。……貴公子のロマンスに、戦闘シーンや輪廻転生までからむという物語の面白さをふんだんに盛り込んだ作品です。 また『無名草子』は藤原定家の姪、俊成卿の女(実は孫)の作といわれ、『源氏物語』をはじめ『夜の寝覚』『狭衣物語』以下約30作品を取り上げて、歌集の論評にも及ぶ、わが国最古の物語評論集です。

樋口 芳麻呂[ヒグチ ヨシマロ]
著・文・その他/翻訳

久保木 哲夫[クボキ テツオ]
著・文・その他/翻訳

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きいち

22
日本最古の物語論「無名草子」は歌人・女房として活躍した俊成卿女作と伝わる。その経験を託した老尼が、お寺で会った女性たちに語るという外枠、作者論もあるというのに興味を惹かれ読む。源氏の各登場人物評はこんな風にのめりこんだんだなと興味深い。そしてそれが作者だけじゃなく定子や女院たちに及ぶ地続き感、ネットワーク感。◇定家(叔父だ)作という松浦宮のほうは初めて知ったが、こちらは何だか思い切りラノベな感じで楽しい。ヒロインたち、華陽公主も天人転生の母后もかわいらしくて。不遇時代の作とのこと、なるほど。2020/05/06

渡邊利道

2
「松浦宮」は、美男子のヒーローが恋に破れて遣唐使となり、大陸で二人の女性に翻弄されつつ反乱を平定し大将軍となって地位を投げ捨て帰国。二人の女性のうち一人は王女で、契りを交わすが添い遂げるのは来世として蘇りの儀式を教えて死に、もう一人の女である后はじつは主人公ともども前世で帝釈天の部下であり、その縁で大唐帝国の危機を救ったわけなのだと言い、夢に契りを交わす。2017/07/10

つづり

0
全訳がついてて非常に読み易いシリーズ。この二作品はややマイナー?「無名草子」を註ごと読めば、平安の物語を名シーンだけつまみ食いできるので、受験に役立つかも。

Aemaru29

0
はかない 散逸しまくり2022/03/21

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1855490
  • ご注意事項