カチューシャの青春―昭和自分史 一九五〇‐五五年

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  • サイズ B6判/ページ数 287p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784096260852
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0021

出版社内容情報

朝鮮戦争下の時代をひたむきに生きる青春像

『廃墟に立つ―昭和自分史一九四五―四九年』(05年8月刊)につづく、谷一郎という青年をとおして描く、著者二十代後半の青春譜。 一九四九年、山村での中学教師をやめて上京、新協劇団研究所に入り演劇活動にあけくれる。だが、朝鮮戦争にむかい、時代の流れは戦後民主化から逆コースへと急転回してゆく。谷青年はようやく得た仕事をしつつ、演劇活動と反戦・反体制活動を精力的にこなしてゆくが、公安に尾行され、ついには逮捕も経験することになる。 しかし、暗い時代とはいえ、職を得、演劇という活動の場を見いだした彼は、「おーい、みんな、おれはこうして生きて楽しんでいるぞ、と死んだ友人たちに叫びたかった」と語るように、ふたたび訪れた青春をひたむきに生きる。

昭和自分史【一九五〇―五五年】

内容説明

朝鮮戦争下に青春を生きる。戦後民主化から逆コースへ、急転回する時代の流れのなかでひたむきに生きる演劇志望の青年。著者二十代の青春譜。

目次

第1章 朝鮮戦争前夜(一九四九‐五〇年)(逆コースの荒波に;ある工作者の独白)
第2章 カチューシャの青春(一九五一‐五二年)(劇団研究生となって;新演を創立したが)
第3章 懐かしい人びとは逝く(一九五三‐五五年)(かけがえのない友の死;さようならわたしの新劇;憎んで、愛す)

著者等紹介

色川大吉[イロカワダイキチ]
1925年、千葉県生まれ。東京大学文学部史学科卒業。東京経済大学名誉教授。専攻は日本近代史、思想史。「民衆史」という新しい分野を拓くとともに、「自分史」を創語し、その運動を提唱。また、水俣病事件や広く市民運動にもかかわる一方、30年にわたりシルクロードやチベットを踏査(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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佐藤一臣

6
自分史だが、第三者目線で書かれているので小説っぽい。この手法をとった理由が後半に述べられているが、客観視することのメリットを挙げていた。参考になる。シャープ勧告や朝鮮特需の凄さが身に染みてわかる。この戦争が日本の高度経済成長の前提らしい。交番への一般市民の襲撃は今では信じられないが、強い者と闘う姿勢は現代日本にはもう存在しないね。主人公の結核の手術や術後の様子は詳細で目に浮かぶようだ。映画ゴジラが水爆実験で生まれたというのは、アメリカに対する水爆実験反対運動だったんですね。体制への反抗ぶりはすごいねー2022/02/24

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