出版社内容情報
近世の身分制社会では、治者は被治者に、富者は貧者に「仁政」や「徳義」を施すことを求められた。庶民は政治に参画できない反面、戦は侍がするものと傍観者でいることができた。だが、四民平等の名のもと、明治新政府はこうした庶民の「客分意識」に容赦なく改変を加えていく。勤勉で忠実な近代日本人は、どのようにして生産されたのか。京町人ですら「お世話になった覚えのない」天皇が、やがて国民にバンザイの唱和で迎えられるようになるのは、なぜか。「亜細亜の盟主日本」というエリート意識は、いかにして醸成されていったか。「復古」と「開化」をキーワードに、幕末から明治時代前半の世相を庶民の目線で読み解く。
牧原 憲夫[マキハラ ノリオ]
著・文・その他
内容説明
近世の庶民はいかにして「近代化」されたか。民衆が出会った「御一新」の苛酷なる現実。
目次
第1章 幕末の激動と民衆
第2章 「御一新」の現実
第3章 自立と競争の時代
第4章 平等と差別の複合
第5章 近代天皇制への助走
第6章 「帝国」に向かって
第7章 国民・民権・民衆
第8章 帝国憲法体制の成立
著者等紹介
牧原憲夫[マキハラノリオ]
東京経済大学非常勤講師。1943年東京都生まれ。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。専攻は日本近代史。近代とはどのような時代か、なぜ国民は戦争を支持したのか、そうした問題を、明治時代の民衆の姿を通して考え直すことを課題としている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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