出版社内容情報
カンディンスキーを中心とする「青騎士」ノルデ、キルヒナーの「 橋」、クレー、ココシュカなどのドイツ表現主義を中心に、ルソーの 素朴派、リベラ、シケイロスのメキシコ派など、19世紀初頭の各国 の美術運動を紹介。
千足 伸行[センゾク ノブユキ]
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内容説明
本書は『表現主義と社会派』の標題のもとに、20世紀初頭から第二次世界大戦に至るまでの“社会的”ニュアンスを伴った西洋美術、とくにドイツを中心として起こった表現主義と新即物主義、およびアメリカとメキシコにおける社会派絵画、さらにアンリ・ルソーを中心とする素朴画家たちの美術を内容としている。対象地域は、ドイツを中心にヨーロッパ全域から、アメリカ、メキシコに及ぶ。扱うジャンルは絵画を中心に建築、彫刻を含む。
目次
第1章 ヴァシリー・カンディンスキー
第2章 青騎士
第3章 パウル・クレー
第4章 ブリュッケの画家たち
第5章 1910年代の表現主義―ヴァルデン、ココシュカ、コルヴィッツを中心に
第6章 新即物主義と1920年代のドイツ絵画―グロス、ディックス、ベックマンを中心に
第7章 表現主義の彫刻
第8章 表現主義建築とその時代
第9章 アンリ・ルソーと素朴画家たち
第10章 アメリカ社会派
第11章 メキシコ壁画運動―オロスコ、リベラ、シケイロスを中心に
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
290
巻頭を飾るのはカンディンスキー。ただし、最初の数点は具象画。私が思う、いかにもカンディンスキーというのは、1920年代あたりから。しいて1点を選ぶなら「白の上にⅡ」か。何人かの表現主義派の後はクレー。以前に別のところに書いたが、私の先入観ではクレーはブルーだったのだが、実際は暖色系の絵が多い。これも1点を選ぶなら「パルナッソス山へ」か。そして、ココシュカの後はルソーである。実に多彩な巻だ。こうしてまとめてルソーを見ると、強く惹かれるものを感じる。1点なら「夢」か。2023/11/17
KAZOO
106
表現主義と社会派ということで徐々に芸術的なものよりも現実に近くなってきているのでしょう。ただカンディンスキーの絵画というのはあまりわかりません。解説がないと色の表現だけです。パウル・クレーはまだわかりやすさがあります。ココシュカ、グロスはドイツらしい感じがします。アンリ・ルソーもここに収められています。静謐な感じですね。2017/02/15