出版社内容情報
絵画のモロー、ルドン、アンソール、ベックリーン、ムンク、クリム ト、シーレ。ポスターのロートレック、ミュシャ。建築のギマール、 オルタ、ガウディ。工芸のラリック、ガレ、ティファニー等19世紀 末の鬼才を網羅。
高階 秀爾[タカシナ シュウジ]
著・文・その他
千足 伸行[センゾク ノブユキ]
編集
内容説明
鮮烈な色彩、モローとルドン。ベルギー象徴派の旗手クノップフ。平面の妖しき世界、クリムトのフリーズ。夭逝の天才、シーレの人物画。北欧の鬼才、ムンクの傑作。パリの歓楽街を彩ったロートレック。分離派の拠点ウィーンのさまざまな造形。アール・ヌーヴォーのデザイン感覚。圧倒的迫力で迫る世紀末芸術の集大成。
目次
総論 世紀末芸術の背景と諸相
フランスの象徴主義絵画
ベルギー・オランダの世紀末絵画
ドイツ象徴主義絵画
ウィーンの世紀末美術
イタリアとスペインの象徴主義絵画
イギリスとアメリカの世紀末美術
世紀末の北欧・東欧・ロシアの絵画
建築、彫刻、工芸、デザイン―ヨーロッパ
建築、彫刻、工芸、デザイン―アメリカ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
282
巻頭を飾るのはギュスターヴ・モロー。名高い「出現」をはじめ、いずれもが東洋的な異国趣味と退廃の香りも高く世紀末の気配を前面に漂わせる。フランドルを代表するのはアンソール。オーストリアのユーゲントシュティールからはクリムト。北欧にはムンクがいる。こうして見ると随分と多彩である。しかも、それぞれが思う存分に個性を発揮している。そういう時代なのだろう。これらの画家の絵の中で一番たくさん見たのはクリムト。ウィーンのベルヴェデーレ宮で一日たっぷりと堪能した。エゴン・シーレもココシュカもあった。 2023/12/13
KAZOO
117
世紀末芸術ということでやはりフランスの象徴主義絵画で、ギュスターブ・モローやオディロン・ルドン、ロートレックなどの絵画が紹介されています。またベルギーのクノップフアンソール、ドイツのベックリーン、ウィーンのクリムト、イタリアのセガンティーニ、北欧のムンクなどやはりどこかで見た絵画が多くなっています。楽しめます。2017/02/15
毒兎真暗ミサ【副長】
28
19世紀末からの美術「世紀末芸術」はフランス薔薇十字展から。モローの絵からもわかるように【女性の美しさ】を様々な画家が「新しい象徴」として印象付ける。パリの都市計画ではモネ。中でもムーラン・ルージュを様々な画家が描く。宗教画ではルドンが一際輝きセガンティーニの静謐さが乾いた嘆きのようだ。オフェーリア、サロメの存在が女性の奥底の狂いを咲かす。代表はクルムトだろうか。暗い時代に女性たちが快活とする新しい時代の幕開け。エッフェル塔の緻密なアーチもまた女性なのかもしれない。芸術はいつも暗喩的テーゼを掲げている。2024/01/21
明智紫苑
4
私は何年か前に、札幌の芸術の森美術館でクリムトの「パラス・アテナ」の実物を観た。外はムチャクチャ暑かったのに、アテナは青白い肌。ニケの足元の青い炎(オーラ?)は、実物を見て初めて気づいた。帰りは暑さで行き倒れになりそうで恐ろしかった。そんなアテナも収録されています。2014/12/04
へんかんへん
2
レヴィ・デュルメール、ロートレック、ミュシャ、クノップフ、レオン・フレデリック、アルノルド・ベックリーン、ホードラー、ムンク、ヤツェクマルチェフスキー、ミハエル・ウルーベリ、この辺が一番好き2014/05/29