出版社内容情報
前1千年期に始まるその商業活動により地中海沿岸に遺産をのこしたフェニキア・カルタゴ人と、イベリア半島の動きを皮切りに、一都市国家ローマが帝国へと膨張する歴史を追いながら、古代の地中海美術を概括する
青柳 正規[アオヤギ マサノリ]
著・文・その他
目次
第1章 フェニキア美術と古代イベリア美術
第2章 古イタリア美術
第3章 ローマ建築
第4章 ローマ共和政時代の美術
第5章 共和政末期から帝政の確立へ
第6章 フラウィウス朝と五賢帝時代
第7章 セウェルス朝からコンスタンティヌス大帝の時代
テーマ特集(フィロストラトスとともに―西暦3世紀の絵画と言葉;ローマン・コピーの作り方)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
299
第5巻は「古代地中海とローマ」。フェニキアの美術にも目を見張らされるが、フォロ・ロマーノとポンペイには心底ありがたいと思う。よくぞ残ってくれた。ほとんど奇跡的といっていいと思う。古代ローマの技術力の高さ、そして文化水準の高さ(なにしろ帝国の辺境にまで及ぶのだから)は驚異的ですらある。今回、この本で新たに目を開かれたのは、第三様式、第四様式に分類される絵画群である。これまで、古代美術に関しては彫像はあれほどに完成度が高いのに、それに比して絵画の稚拙さがある意味では不思議だった。2次元に写すといった抽象化は⇒2023/06/19
KAZOO
104
この巻は、古代のフェニキア美術とイベリア美術更には古ローマ美術作品が最初に紹介されています。ギリシャの影響を受けているような感じがします。さらにはローマの建築物、ポンペイの遺跡など昔見た記憶が見ていてよみがえりました。その後時代を経て共和制末期から帝政時代の美術品が掲載されています。この全集は比較的解説が多くきちっとしているような感じです。歴史の勉強にもなります。2017/01/06
へんかんへん
3
ミュロンとかはよく見るな夕陽の影とか面白い2014/11/13
Yosuke Saito
2
読むというか見るというか。このシリーズはとにかく写真が素晴らしい。2011/11/23
Eu
1
残され方、見つかり方もすごい。ポンペイが火山の噴火で埋没したというのは有名だけれども、ドイツ軍の爆撃で空いた穴を直そうとしたら家が出てきたとか、シリアで塹壕掘ってたら町が出てきたとか。月報で青柳正規が「歴史というのは空間なんですよ」と言っていたけど、時間と空間の不思議な因果を感じる。2022/07/14