出版社内容情報
20世紀は戦争に明け暮れた100年だった。終戦を下司官として迎えた著者が目撃したものは? とかく言われ続けてきた、軍部の無責任体制を鋭く喝破した名著。戦争のない新世紀を迎えるために読みたい上下巻。
著者は終戦時は、近衛師団の現役下司官として、つぶさにまた冷静に日本人の行動を見つめていた。敗戦によってはしなくも露呈した日本人の無責任ぶりを目のあたりにして、戦後体制をどうするのか不安に思ったという。 具体的な事例を挙げて、戦争の悲惨さと軍部の無責任ぶりを説くなかで、地球上で戦争の絶えることのなかった20世紀と決別するにあたり、戦争のない21世紀を迎える準備をするために教えられることの多い名著である。心の遺産、負の遺産をいかに生かすか、考えさせられる点も強調しておきたい。
内容説明
メディアを巧みに利用しつつ強化される皇国思想、軍国主義教育を受けた著者は、その虚構と暴虐さを体験した。現役兵として敗戦を迎えたその目に映ったのものは…。
目次
第7章 どうして国民は戦争に反対できなかったのか
第8章 いったい政治家、官僚はなにをしていたのか
第9章 いったい学者、論客たちはなんといっていたのか
第10章 議論の行きつくところ