出版社内容情報
剣豪武蔵は現代に通じるトップ・アスリートだった。
スポーツ科学者であり、武道家でもある筆者が「身体意識」という独自の視点から、かたや武道、かたや野球の達人の身体を読み解く。従来の「宮本武蔵像」を一新する画期的な書。宮本武蔵の肖像画や書籍、イチローの写真をふまえながら彼らの動きの中核にあるものを解読し、共通点を明らかにしてゆく。さらには我々現代人が失ってしまった身体性と心のあり方について語り尽くす。達人の身体性は一部の天才だけのものではない。私たちすべてが達人になりうるのだ。●文庫書き下ろし
内容説明
ほんとうの宮本武蔵はどんな人物だったのか?武蔵の『五輪書』と肖像画を徹底的に分析し、その身体能力に迫った。見えてきたのは、逞しく気合に満ちた姿ではなく、『五輪書』の一文「水を手本とし、心を水のようにするのである」というように、ゆるんで脱力したまったく新しい武蔵像だった。それはイチローをはじめとした現代のトップアスリートに通じる、共通の秘密なのだ。武蔵は三五〇余年前にイチローのバッティングを予言していたのである。この二人の天才的身体運動家を通して、私たち現代人が失ったものが何か、明白に見えてくる。
目次
第1章 宮本武蔵はどういう身体をしていたか(真の宮本武蔵像に肉体から迫る;『五輪書』と肖像画からあぶり出される武蔵の体 ほか)
第2章 イチローと武蔵の体を比較する(スーパースター「イチロー」の意外なイメージ;セオリーに反したイチローの打撃フォーム ほか)
第3章 身体意識―究極の身体の深層にあるもの(武蔵とイチローの根本にある共通性;地球の中心から天へ抜ける一線―センター ほか)
第4章 身体意識と現代人(宮本武蔵の言葉は現代人にとっても無縁なものではない;極まりきった人は美しい ほか)
著者等紹介
高岡英夫[タカオカヒデオ]
運動科学研究所所長。東京大学大学院教育学研究科体育専門課程修了。幼少時より武道や気功の修行を行う。独自に体系化した「運動科学」をもとに、多くのスポーツ選手を指導している。著書多数
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