小学館文庫<br> 十年介護

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小学館文庫
十年介護

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  • サイズ 文庫判/ページ数 248p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094088243
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

出版社内容情報

女子アナと介護の両立、その壮絶な日々

著者18歳、まだまだ楽しい人生の入り口で、わずか40歳にして母親がくも膜下出血により倒れる。その後、車いす生活の母の介護を続けながら女子大生活、就職活動、そして念願のアナウンサーに。華やかなアナウンサー生活の影では、介護人生が続いていた。8年後そんな最愛の母親にガンが発覚。親の介護とハードな仕事。懸命に両立するも、50歳を目前にして最愛の母親は帰らぬ人となる。その後、父親が難病に冒され、母親の後を追うように5年後逝去。
そんな困難に直面しつつも懸命に両立してきた著者が、仕事の面でも思わぬ異動辞令を受け、一時は自身もうつ気味に。その後、意を決して退社、独立。40歳からフリーアナウンサーへと転身する。
これは、一人の女性が人生における幾多の困難を乗り越え、懸命に生きる姿をあますところなく綴った心の手記である。だれにでも起こりうる介護と仕事の両立、親を看取るということ、そして思うようにいかない仕事での苦難…。それらを経験してきた著者だからこそ書ける心からのことば。 そして、こんな時代だからこそ考えさせられる家族の絆。
人間の一生で考え、乗り越えなければいけない問題がつまった一冊です。

【編集担当からのおすすめ情報】
ひとりの女性として、人間として、是非考えておきたい問題がぎっしりとつまった1冊です。現在もフリーアナウンサーとして活躍を続ける町亞聖さん。親の介護、看取り。そして、仕事における苦難…。すべてを乗り越え、逞しく生きる著者のことば、考えから、生きる元気をもらえるはずです。

目次
プロローグ
四十歳、母が倒れた年齢を迎えて 9
母が教えてくれたことを伝えたい 10
青天の霹靂だった報道局への異動 11
もし今倒れたら後悔する 13
後悔しないために 14
家族の絆はとても大切 17


第1章
母が倒れた 21
こんなに大きな病気が隠れていたなんて 22
手術は無事成功、しかし…… 26
本当は家を出るつもりだった 30
やさしい妹と弟に支えられて 34
高校時代からピアスを共有 37
後遺症は想像以上に重かった 40
経済的な余裕のなさが心の貧しさに 43
後がない浪人生活の始まり 45
母はリハビリをスタート 47
母が我が家に帰ってきた 51
努力は必ず実を結ぶ 53
学業と介護の両立の大学生活 55


第2章
夢だったアナウンサーに 59
「伝える」ことが小学生時代からの夢 60
一枚の写真が決め手となった 62
父との戦争、ついに終結 64
宗法は消防士の道へ 65
私よりもさらに若くして介護を始めた亞夢 67
二十五歳の私、マンションを買う 69
生活に慣れることもリハビリ 72
テレビは母にとって一番の友達 75
介護に対する周囲の理解は 76
「私たちがいれば」母は何でもできる 79
恋人も一緒に食卓を囲んで 81
女性としてきれいでいること 84


第3章
がんの告知 87
「まさか」の事態が母の身に 88
弟と妹への哀しい告知 91
母への告知はどうするか 95
「お母さん日記」を家族でつける 97
放射線治療、始まる 99
私、二十七歳の誕生日を迎える 101
母とふたりで一泊二日の箱根旅行へ 104
「すみません」は言わないで 106
私の姉に間違えられる母 108
風に吹かれるススキのように 112
大切な、山田さんのおばちゃん 114
病室は笑いに包まれて 116
哀しみに流されないように 119
父よ、涙を見せないで 122
命の鍵を握る「トイレ」 124
抗がん剤治療を続けるか否か 125


第4章
看取りの介護 129
地元の病院の緩和治療科へ 130
父の胃がんが発覚 131
家の中に残る車いすの跡 133
食事のできない母のための手術 135
父は手術後に院内感染 137
人工肛門という次なる決断 139
誰かが言わなければ…… 142
在宅看護に切り替えるときがきた 144
悔いを残さないように 147
在宅三日目から母は熟睡 148
ありがたい看護師さんの存在 150
十年ぶりのお風呂 151
母を見守るだけの日々 153
久しぶりの外出で悪戦苦闘 154
止まらない母の涙 157


第5章
五十歳目前の母との別れ 159
十一月は母の誕生月 160
母の意識がなくなるとき 161
父と母の深い愛情 163
一生をかけて償わなければ…… 165
家族の絆は母が起こした奇跡 167
「当たり前」の幸せを母に教わった 169
久美子姉ちゃんと母の絆 171
[そのとき]の訪れ 173
最期に微笑んだ母 175
家族で母を囲んで眠る 178
「しょうがないから、頑張らなきゃ」 181
棺に納めたファンデーション 183
母が残してくれた絆を守りたい 185
母のお骨と離れたくない父 187
母が私に残してくれたこと 190
第6章
五年後、父も母の元へ 193
身体も、そして心も弱ってしまった父 194
聞いたこともない難病が父を襲う 196
精神科病院に転院する 197
病気のせいで作り話をする父 198
仕事をしながらの介護は続く 200
突然の父との別れ 201
それからの弟と妹 203
命はつながる 205
そして、家族のつながり 206


エピローグ
十八歳から続いた十年介護、それから 209
フリーアナウンサー町亞聖 210
自分のための時間をもてるように 211
あやちゃんとの出会い 213
見て見ぬふりはできない 216
成田真由美さんとの出会い 219
思いがけない辞令 221
アシスタントプロデューサーとしての仕事 223
うつ気味に 226
四十歳の偶然 228
新しいスタート 231

あとがき 234

文庫版あとがき 238

解説
めざせ! ONE and ONLY
徳光和夫 244


町 亞聖[マチ アセイ]
著・文・その他

内容説明

大学受験を目前に母親がくも膜下出血で倒れ、何の覚悟も知識もないまま始まった介護生活。大学受験、浪人、進学、そして憧れのアナウンサーに―すべてを介護と両立させながらバイタリティと前向きな気持ちで走り続けた著者。しかし八年後、母親に子宮がんが見つかる。二年間の看病の後の辛い別れ。さらに今度は五年に及ぶ父親の介護が…。日本テレビの局アナという一見華やかな表舞台からは決してうかがい知ることのできなかった壮絶な介護生活を初めて明かす。思い通りにいかない仕事での葛藤、職場の異動など、誰もが共感できる悩みや苦難をも赤裸々に書ききった一冊。

目次

プロローグ 四十歳、母が倒れた年齢を迎えて
第1章 母が倒れた
第2章 夢だったアナウンサーに
第3章 がんの告知
第4章 看取りの介護
第5章 五十歳目前の母との別れ
第6章 五年後、父も母の元へ
エピローグ 十八歳から続いた十年介護、それから

著者等紹介

町亞聖[マチアセイ]
1971年埼玉県生まれ。立教大学卒。1995年日本テレビにアナウンサーとして入社。その後、報道記者、番組アシスタントプロデューサーを経験。2011年フリーへ転身。自身の経験から医療や介護を生涯のテーマに取材を続ける。現在はTOKYO MXなどの番組でMCとして出演中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sk4

30
とてもプライベートな介護記録。 本書にも出ている筆者の妹さんとは同じ職場だったこともあって、でも、こんなに大変なことを抱えている様子など全く見せない、明るくて美しい人でした。 大切なご両親とのお別れを乗り越えて、今は新しい人生を歩んでおられるようで、本当にお幸せをお祈り申し上げます。2013/06/21

あい

15
町さんのことは正直存じ上げず.ただ自分の仕事と近い本だなってことで購入したんだけど.今.このタイミングで読めたのはすごくよかったと思います。当たり前がとても幸せなことや.何事にも感謝しなきゃいけないこと.普段は忘れがちなんだけどとても大切なことを再発見できた気がします(*^^*)2013/07/17

かもめ

12
TVで女子アナとして活躍していた頃は、エキゾチックで端麗なお姿に憧れた。しかし、それ以前から介護の苦労を担い、弟妹の親代わりに面倒を見て家も買って・・・素晴らしい人だ。2021/08/12

hitsuji023

7
アナウンサーとして多少知ってはいたが、その裏でこんな介護生活を送っているとは思わなかった。介護も大変だが、アナウンサーとしても決して順風満帆とはいかなかったようで、本人も書いているが波瀾万丈な人生である。こういう人の強さには励まされるし、尊敬もする。2023/03/20

KAORU SUZUKI

6
町亞星さんが、高校生の時から母の父の介護をされていたことに驚きを持つと同時に介護、見取りについての件には涙涙で読んでしまいました。今では、医療福祉を伝える仕事に邁進してフリーアナとして活躍されていらっしゃり心から応援したいと思っています。家族愛兄弟愛のつまった素敵な一冊です。2015/11/04

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