小学館文庫<br> 骨ん中

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小学館文庫
骨ん中

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  • サイズ 文庫判/ページ数 440p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094085945
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

「ちょんまげぷりん」作者デビュー作文庫化

バブル崩壊後の94年、日本海に面する東北の地方都市・岩館で大きな影響力を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、ゴルフ場開発に伴う暴力団系企業への多額の不正な債務保証での特別背任容疑の渦中にいた。さらに、逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺するという最悪の事態を迎えたが、英太郎は表情を変えることなく、嫌疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。
有罪判決が下り、すべてを失ってなお、心に平明を宿しているようにみえた英太郎は、やがて静かに朽ちていった。しかし――。すべてが結末を迎えたに見えた8年後の02年冬、この事件を静かに追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹は、英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は大きな転調を迎え、重厚な三代にわたる一族の“血の物語”を呼びさます。


【編集担当からのおすすめ情報】
「ちょんまげぷりん」の作者のデビュー作の文庫化です。同作品とは、ガラリと趣向の異なる、父子三代にわたる一族の、ズシリと腹に来る重厚な物語です。

荒木 源[アラキ ゲン]
著・文・その他

内容説明

一九九四年。東北の地方都市・岩館で絶大な影響を誇る川戸建設会長・川戸英太郎は、特別背任容疑の渦中にいた。逮捕直前には、息子で社長の英介が自殺したが、英太郎は容疑をすべて認め、裁判は淡々と進んでいった。程なくして懲役二年の有罪判決を受けた英太郎は、あらゆるものを失い、静かに朽ちていった。すべてが決したかにみえた八年後の二〇〇二年冬。この事件を追い続けていた東日新聞社社会部記者・宮浦弘樹が、川戸英太郎の死亡記事を地方紙の片隅に偶然見つけたことから、物語は激しく転調を迎え、三代にわたる一族の“血の物語”を呼び覚ます。

著者等紹介

荒木源[アラキゲン]
1964年京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒。朝日新聞社会部勤務などを経て、2003年に「骨ん中」でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミスターテリ―(飛雲)

38
東北の川戸建設の社長が、暴力団にお金を流し特別背任罪で捕まった。世間ではよくある事件だったが、その裏には驚くべき真実が、しかし当時の政局のなかで隠蔽され表に出ることはなかった。物語の柱に三代続いた建設業の父子の絆と、背景に戦後の高度成長期から、バブル崩壊、政権交代など、まさに日本の政治、経済の流れをリンクさせた重厚な作品。能力のない息子が会社を継がなければならない苦悩。弱みにつけ込んでくる暴力団、親の立場として、経営者としてどう判断するのか、これほど面白い読み物はなかった。そして社長の死後ついに真実が・・2021/08/01

NAOAMI

9
荒木源氏デビュー作。自身の社会部記者だった経験がベース。その後の作風とは違い硬派。地方ゼネコンの名士の血脈を巡る話に記者魂が絡む話。「~組」ってくらいヤクザまがいだった戦前戦後を経た親子三代の物語が本線だが、のっけから雪山での猟銃事故という読者に疑念を植えつけるにはもってこいのエピソードから入る。謎解きは当事者たちの回顧録やら日記やら遺書替わりの録音テープやらで明かされる「まとめっぷり」なので芸がないが、展開の厚みと人物達のすれ違う稔侍・気骨が音を立てて軋む様が痛々しい程沁みる。相原は小池都知事へ?的な?2017/10/07

深沢商店

3
ちょんまげぷりんの荒木さんのデビュー作とのこと。地方の建設会社の背任事件をきっかけとし、それを追いかける記者、政治家、やくざ、などなど、重厚な人間模様が繰り広げられる。ちょっと人間関係が複雑で一読で追いきれないところもなくはないけど、ミステリ的な要素もたくさん含まれており、最後の最後まで楽しませてくれる作品でした。2013/11/26

korochan

1
時系列が前後するのと親子三代の名前が似ているので、初めは注意して読む必要があるかもしれない。日本男児の気骨がテーマだと思うが、家族への溺愛とも取れる主人公の言動が作者の主張のブレを感じさせる。最後のトリックもやや蛇足気味か。が、臨場感を伴った全編骨太のドラマは読みごたえがあり、決して損はしないと思う。2011/04/02

パンダプー

1
帯コメントにちょっと期待しすぎたかも。私が頭弱なので、似た名前の一族をわからなくなって、登場人物紹介に何度ももどらなくてはいけなくなるので、物語にのめりこめないのと、いろいろな人の書き残した文で種明かししすぎかな・・・。 2011/03/20

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