出版社内容情報
「私ね、後、一週間後に死んじゃうの」。彼女が履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校2年の僕達。平凡な毎日を送っていたある日、僕は彼女から唐突に告白される。透明な、切ない切ないラブストーリー!
内容説明
彼女の履いていた靴下の話がきっかけで付き合い始めた高校二年の僕たち。平凡な毎日を送っていたある日、彼女は唐突に僕に言った。「私ね、後、一週間で死んじゃうの」病気の進行を知り、運命を受け入れていた彼女は、残されたわずかな時間を自分らしく生きたいと願う。僕は心が追いつけないまま彼女の望みをかなえることに奔走した。少し寒いからあたためてほしい。そう言って僕のベッドで眠った翌朝、彼女に死が訪れて―透明なラストシーンが胸に迫ります。乙女派のバイブルと呼ばれた名作『ミシン』の系譜を正統に継いだ、せつない、せつない純愛小説。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。2000年『ミシン』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Moemi
22
市川拓司さんの『恋愛寫眞』を読んだので、同じカスヤナガトさんのカバーイラスト、そして所謂「不治の病もの」にカテゴライズされる作品としてこちらも再読しました。私自身はロリータファッションとは無縁ですが、作中に出てくるお洋服や薔薇風呂の描写にはすごくときめきました。「不治の病もの」とは言っても病に冒されている主人公の彼女が前向きで悲愴感があまりないので、わりとさくさくと読み進めることができます。自分だったら人生最後の一週間をどうやって過ごすだろうか、とちょっと考えさせられました。2016/06/07
myc0
15
表紙の印象から、ふわっとした雰囲気の物語を想像していたけど、大丈夫です。1ページ目から野ばらちゃんは野ばらちゃんでした。「私、後、一週間で死んじゃうの」そんな彼女は、自分の余生を自分の美意識に基づいて過ごす。何を選ぶかは人それぞれだと思うけど、私も最後の一週間であっても自分の望むものを手に入れる強さを持って生きたいと思う。2020/12/28
天竺牡丹
11
『私ね 後一週間で死んじゃうの』から始まりどうなるのかと思いましたが 野ばらちゃん作品らしく 強い女の子で救われました。悔いなく好きな人を見送れたらお互いに幸せだろうと思います。自分自身は後悔だけが残ってしまったのでハピネスを読んだ若者が 彼女らのように時間や出会いを大切に 後悔を少なく生きられるように祈ります。2015/02/17
もずく
10
余命一週間。それでも、いや、それだからこそ濃密濃厚、前向きに生きる彼女と僕の一週間。発作の多さが近すぎる死を感じて何回も不安になりました。 でも、長く細く生きるよりも短く太く生きたいなあと何となく思わされます。でも、余命が残り一週間だと知った時に、彼女のように望みややりたいことをきちんと掲げることができるかな?と考えて、できないな、と思ってしまったわが身の哀しさ。 やっぱり愛っていいなあ。ロリータも私は好きである。2011/10/06
チアモン
9
余命が後少しの女子高生と僕の話。でも、余命が後一週間なのにこんなに明るく前向きに生活できるのかなあと少し疑問に思った。ロリータファッションは理解し難いが嶽本先生が表現するととても可愛らしいファッションに思えてくる。2013/09/20