内容説明
『春秋一刀流』『天狗飛脚』『按摩と女』『大学の若旦那』『むかしの歌』『まらそん侍』『三百六十五夜』…。黒澤、小津を卒業したあなたに贈る知られざるニッポン古典映画の世界。温かく、懐かしく、粋で、ほろりとさせられる映画に、失われた日本の風景と心情があざやかに残っている。知られることの少ない全九八作の解説に、九十年代の名画座を克明に歩いた「名画座放浪記」を収録。書き下ろし「ニッポン古典映画への旅」は著者四十年の映画歴の総決算。今、中高年のみならず若い人にも人気の古い日本映画のおもしろさを、詳細に説きおこした一冊。
目次
シネマ大吟醸(浪曲師の意地と妻の意地―桃中軒雲右衛門(成瀬巳喜男)
居酒屋に聞こえてきた音―鶴八鶴次郎(成瀬巳喜男)
郷愁さそう山梨の田舎町―秀子の車掌さん(成瀬巳喜男)
淡麗、明治の香り―歌行燈(成瀬巳喜男) ほか)
名画座放浪記(大井武蔵野館―『大学の山賊たち』の巻;池袋文芸坐ル・ピリエ―『剣』の巻;銀座並木座―『驟雨』の巻;三軒茶屋スタジオams―『女であること』の巻 ほか)
ニッポン古典映画への旅―あとがきにかえて
著者等紹介
太田和彦[オオタカズヒコ]
1946年北京生まれ。アートディレクター/作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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