内容説明
子供の頃からの大の相撲ファンである著者が、古今東西の相撲びとたちを、時には自身の思い出を交えながら軽妙なタッチで綴っていく。相撲の始祖である、野見宿禰と当麻蹶速に始まって、谷風や大童山、荒岩や幡瀬川、玉ノ海といった力士の面々。聖武天皇、織田信長、乃木大将、夏目漱石といった相撲好き。そして、「鳥獣戯画」や河童までをも俎上に上げ、相撲を愛してやまない人々の熱気と心意気を伝えてくれる。相撲の魅力を再認識でき、歴史好きにも応えられない一冊。
目次
敵役・蹶速くん
相撲好きの聖武天皇
相撲節会の豪のもの
鳥獣戯画の相撲
狂言の中の大名
相撲好きの戦国武将
秀吉も相撲好き?
明石志賀之助の幻
越前屋団之助の裁き
河童は相撲好き〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
25
数年前に八百長事件をめぐって揺れた大相撲。改革議論において、はたして大相撲はスポーツなのかどうかという問題があったが、大相撲というのは古来からの儀式であってスポーツではないことが分かる。なにしろ相撲の起源は古くは『日本書紀』の世界まで遡るということなのだから神話の世界である。もともとは遠来の神と土地の精霊との力くらべで豊作を祈るのだという。外国人力士の跋扈を懸念するなかれ。遠来の神(外国人力士)が土地の精霊(日本人力士)を打ち負かすことで日本の繁栄は維持されているのだ。読後には土俵が神聖な場に見えてくる。2016/08/25
ken7ito
0
なつかしさ2010/10/29