小学館文庫<br> 色いろ花骨牌(カルタ)

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小学館文庫
色いろ花骨牌(カルタ)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 267p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094061581
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

抱腹絶倒してしんみり。交友エッセイの名品

全9章構成。吉行淳之介 阿佐田哲也 尾上辰之助(初代) 芦田伸介 園山俊二 柴田錬三郎 秋山正太郎 近藤啓太郎 生島治郎 脇役も多士済々。著者が名エッセイストである証拠に、吉行淳之介の章から一場面をご紹介。
《いかなる経緯からか、膣外射精の話となり、何気なく「あれは妊娠の怖れがありますからね」と口を挟むと、卓上の三人の手が止まった、ように感じた。視線を牌から上げて御三方のご尊顔を拝し奉ると、各様に眉を上げたご表情。/(……)「いえ、あの、先っぽがちょいと濡れますところの、カウパー線液とやら言うんでしたっけ? あの中にも精子が含まれておりまして……/聞き囓りの、我が膣外射精危険説は却下された。/「数十年、その枝に頼りしも、我、かくなる仕儀と相成りしことの一度としてあらざるなり」「阿呆も休み休みに」。/翌日、「あー、吉行です。昨夜の膣外射精野郎は、そのうち手痛い目に遭いますな。いや、貴君が正しい、正しい」。/医者に確かめたのだという。/(……)/感心を通り越して、嗚呼、ぼくは凄いサロンに身を置いているのだなと、見開いた目の中を多数の精子があっちへ行ったりこっちへ来たり。》

黒鉄 ヒロシ[クロガネ ヒロシ]

内容説明

四十数年前、赤坂に「乃なみ」という旅館があった。そこに夜な夜なメンバーが集まり、始まるのは、麻雀、花札、カード。だが中心はあくまでも座談の楽しさにあった。吉行淳之介さん曰く、「ま、気取って言えばサロンのようなものですな」。高名な作家・俳優・芸術家たちの中に、ある日、まだ二十代の青年が加わった。今は亡き、個性溢れる人々との交流を生き生きと描いた超面白エッセイ集。主役は九人。吉行淳之介・阿佐田哲也・尾上辰之助(初代)・芦田伸介・園山俊二・柴田錬三郎・秋山庄太郎・近藤啓太郎・生島治郎、ほかに脇役たちも多士済済。交遊録の名品、初文庫化。

目次

雨―吉行淳之介さん
月―阿佐田哲也さん
桜―尾上辰之助さん(初代)
松―芦田伸介さん
菊―園山俊二さん
桐―柴田錬三郎さん
牡丹―秋山庄太郎さん
菖蒲―近藤啓太郎さん
萩―生島治郎さん

著者等紹介

黒鉄ヒロシ[クロガネヒロシ]
1945年高知県生まれ。主な作品に『新選組』(文春漫画賞)、『坂本龍馬』(文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞)、『赤兵衛』(小学館漫画賞審査委員特別賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

89
赤坂にある旅館「乃なみ」につどってマージャyンなどをやっていた人々との交友録というか人物評などをひょうひょうとした筆致で黒鉄さんがものにしておられます。その人物が錚々たる人々で、吉行淳之介、阿佐田哲也、芦田伸介などなど9人の高名な人々の素顔が書かれている感じです。黒鉄さんの書く漫画と同じでその人物の特徴をよくとられられています。2017/12/01

犬養三千代

5
赤坂「乃なみ」に集うギャンブラーたちの交友録。花札の絵柄の中に人物か描かれている。吉行淳之介、阿佐田哲也!尾上辰之助(初代)芦田伸介、園山俊二、柴田錬三郎、秋山庄太郎、近藤啓太郎、生島治郎。 黒鉄ヒロシという絶妙、軽快なセンスの良い文章に脱帽。 阿佐田哲也がナルコプラシー発作を持っていてのは知らなかった。 笑える噺満載。その底流には有り余る人間愛と観察眼がある。 骨牌をカルタと読ませる。故人に合掌。2017/11/17

みや

2
吉行淳之介、柴田錬三郎、芦田伸介など錚錚たる面々(いずれも故人)との交遊エッセイ。豪放磊落で粋なエピソードの数々が軽妙洒脱に描かれ、「ホンモノ」の凄みが浮き彫りに。小者を自称する著者も「ホンモノ」の機微にたっぷりと触れてきたことにより、今やかつての彼らと並ぶ大御所のポジションなのでは。ともあれ、いくら湿り気を排除しても、親しく交わった者との死別のくだりは著者の意に反してホロリとさせられた。2018/11/17

モモンガ

1
無頼な雰囲気2017/10/13

みつひめ

0
『文庫本千穐楽』のお題本。初読した時に、え、それは読まねば❗️と思い、古書で入手したのだけれど、すっかり忘れて積読になっていたのを、最近発掘。読まねばと思ったのは、辰之助さんが取り上げられていて、それがとても良いとツボちゃんが書いていたからなのだった。読んだら、なんと、松緑じーちゃんも登場するではないか‼️ これがまた、黒鉄さんみたいな付き合い方をした人じゃなければ見えないお話で、胸熱になる。それ以外も、吉行淳之介をはじめとする華麗なる文壇の重鎮たちの別の一面が描かれていて、楽しい。2022/08/29

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