出版社内容情報
山田詠美がコロナ禍を綴る最新傑作エッセイ
山田詠美さんは本書について「あとがきに代えて」でこう綴っています。
≪この本では、新型コロナの感染が拡大する中でのあれこれを綴りました。と、同時に、日々の取るに足りない、けれども、私にとっての大事なトピックスも取り上げています。そこから生まれる喜怒哀楽は、大きなものでも些細なものでも、確実に私の一部を形作っている。大切な大切な欠片たち。≫
「言葉の小姑」を自認する著者の「怒り」は、想像力の欠片もない、安易に使われる言葉に向かいます。コロナ禍において跋扈した「東京アラート」や「特別な夏」「おうち」、さらには「コロナ禍」も俎上に載せ、「その言い回し、許さん!」と筆を揮うエッセイには胸がすくこと請け合いです。
もちろん美味しい食べものやお酒、夫婦での散歩など、不要不急の愉しい日常についてもたっぷりと!
女性セブンの大人気連載「日々甘露苦露」から、傑作エッセイ100編を厳選。前作『吉祥寺デイズ うまうま食べもの・うしうしゴシップ』(小学館文庫)に続いて、「親愛なる読者の皆さんへ(あとがきに代えて)」は謹製原稿用紙に綴った直筆です。そちらもぜひお楽しみに!
【編集担当からのおすすめ情報】
前作『吉祥寺デイズ』は、朝日新聞の人気連載「折々のことば」(鷲田清一さん)に《だいたい、私、若気の過ちを通過していない人間を信用しない性質なんで》という一節が取り上げられるなど、大反響を呼びました。本作でも、山田詠美さんだからこその胸のすくアフォリズムが満載。濁流のような時代の変化の中で溺れる思いをしている人にこそ読んでほしいと思っています。生きていくうえで心に留めておきたい大切な言葉がたくさん詰まった一冊です。
装丁は前作と同じくジュン・キドコロ・デザインの城所潤さん。装画は100%ORANGEさんです。カバーを開いた表紙や本文中の絵もぜひお楽しみください。
内容説明
言葉尻番長を自認する著者がコロナ下に浮き彫りになった事柄に「許さん」と難癖を付け、不要不急の愉しみを綴った最新エッセイが全100編!
目次
夏の怪奇現象いとをかし
流行中?食の安全ヒステリー
夏の怪奇現象いとをかし2
言葉をさぼるメディアさん
おにぎりせんべい放浪記
質の向上は焼きそばで!
金沢旅行甘露怒露
遊廓風味のオムライス
日本語探偵に学ばせていただく
とくダネ!さん、さようなら〔ほか〕
著者等紹介
山田詠美[ヤマダエイミ]
1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で文藝賞を受賞し作家デビュー。87年『ソウル・ミュージックラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2001年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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