出版社内容情報
幸福度ランキング上位国を悩ませるものは?
高福祉国家、幸福度ランキングの上位国、高い学力と安い学費、北欧デザイン……。
良いイメージで語られることの多い北欧諸国ですが、どの国も悩みを抱えています。
ロシアのウクライナ侵攻後、フィンランドとスウェーデンがNATOに加盟申請したことは記憶に新しいですが、悩みはそれだけではありません。
ソ連(現ロシア)から一方的な要求を突き付けられたことをきっかけに、ソ連と二度も戦い敗北したフィンランドは、つねにソ連(およびその後身・ロシア)との関係に苦心してきました。
スウェーデンは、高福祉を実現したために国民の労働意欲が低下。経済成長率が低くなる時期を経験しています。
ノルウェーは、ノーベル平和賞が発表・授与されるホスト国。中国の平和活動家に平和賞が授与されると、中国から経済制裁を受けて大変困った事態に陥ります。
北欧諸国はイギリス、ドイツ、フランスといった国々に比べれば、寒冷の土地にあり、人口も多くありません。
それらの国々が、どのような知恵や政策で困難を乗り越えてきたのか。
学ぶべきことが多い北欧諸国の素顔を池上彰が徹底解説します!
東京都立小石川中等教育学校での白熱授業を書籍化しました!
【編集担当からのおすすめ情報】
北欧というと、遠い国々と思いがちですが、北欧発祥のブランドは身の回りに数多くあります。小売業のイケア(スウェーデン)、H&M(スウェーデン)、玩具のレゴ(デンマーク)、雑貨のマリメッコ(フィンランド)。キャラクターでいえばムーミンも北欧発祥(フィンランド)です。
ただ、北欧諸国の歴史や政治状況を知っている方は多くなさそうです。
つい最近までフィンランドはNATOに加盟していませんでしたが、ノルウェーやアイスランドは加盟しています。しかし、ノルウェーとアイスランドはEUには非加盟です。こうした各国の方針にはちゃんとした理由があります。
北欧各国のそれぞれの特色や違いも、池上彰さんがわかりやすく解説しています。読めば北欧諸国の近現代史はもちろん、ナポレオンやスターリンがどう北欧諸国とかかわったのかもわかります。例えばナポレオン配下の将軍だった人物が、ある国の王となり、現在もその王統が続いていることも解説しています。世界史を学ぶ学生も、学び直しの社会人の方や、世界情勢に強くなりたい方にも最適な一冊です。
内容説明
知らないことばかりの「北欧講義」!教師は時間に余裕があって教材研究もしっかりできるフィンランド。日本と何が異なるのか?ナチス・ドイツの勢いに賭けて大失敗した国は日本ともう一つ、北欧のどこの国か?1992年EU成立直前に起きた「デンマーク・ショック」とは?中立政策を掲げてきたスウェーデンにとって永世中立国・スイスは反面教師。それはなぜ?EU非加盟でも利益は享受。ノルウェーの戦略とは?
目次
第1章 北欧の国々とはどんな国か
第2章 NATOと北欧・ロシア
第3章 フィンランド―2度の戦争から教育大国へ
第4章 スウェーデンとデンマーク―福祉と軍事に独自の観点
第5章 ノルウェーとアイスランド―EUに加盟せず、国際平和へ貢献
第6章 北欧諸国から何を学ぶか
著者等紹介
池上彰[イケガミアキラ]
1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。報道局社会部記者などを経て、94年4月から11年間にわたり、『週刊こどもニュース』のお父さん役を務め、わかりやすい解説で人気を集める。2005年NHKを退職し、フリージャーナリストに。現在、名城大学教授、東京工業大学特命教授。愛知学院大学、立教大学、信州大学、関西学院大学、日本大学、順天堂大学、東京大学などでも講義する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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