出版社内容情報
あの日の主役は僕らだった!
五輪とともにパラリンピックが開かれることになったのは約1年前。傷痍軍人や障害者ら53人は突如「選手」として大会を目指すことになった――。
ある出場者はこう回想する。
「当時の日本は、やって来た外国人から『日本に障害者はいないのか』と聞かれていたような時代。息子も娘も出るのを嫌がって、家族も出すのを嫌がって、みんな家の中に引っ込んでいたんだから」
障害者スポーツという概念は存在しない。彼らは、人前に自らの姿を晒すことさえ、抵抗があった。だが、いざ大会が幕明けすると――。
「競技場へ行って思ったのは、この大会は我々が主役なんだということでした。お客さんたちも僕らを主人公として見てくれていたと確かに感じる雰囲気があったんだ」
物怖じする出場者らを励ましながら大会に送り出した異端の医師・中村裕(「太陽の家」創設者)。会場で外国人選手をエスコートした”元祖ボランティア”語学奉仕団。その結成に深く関わり、その後も障害者スポーツをサポートした美智子妃・・・出場選手たちのインタビューに加え、大会を支えた人々の奮闘も描く。
列島が五輪に熱狂した1964年に繰り広げられていた、もう一つの物語。
【編集担当からのおすすめ情報】
大宅賞作家による取材期間5年ごしのノンフィクションです。パラリンピックはどこからやってきたのか。2020年大会を前に、ぜひ皆様に知ってもらいたいです。
内容説明
日本が五輪に熱狂したあの年、もうひとつのドラマがあった。開催1年前に突如「選手」として大会を目指すことになった傷痍軍人と障害者、そして大会を陰で支えた美智子妃や中村裕医師。彼らを知らずして2020年を語れない。
目次
序章 ハシ先生と美智子妃
第1章 傷兵院から
第2章 パラリンピックの来た道
第3章 あの日の主役
第4章 祭りのあとで
第5章 次の「一番」を探して
終章 源流
著者等紹介
稲泉連[イナイズミレン]
1979年、東京生まれ。早稲田大学第二文学部卒。2005年『ぼくもいくさに征くのだけれど―竹内浩三の詩と死―』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hitotak
読書国の仮住まい
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