内容説明
最初のウルトラマンを演じた男、古谷敏初の回想録。
目次
第1章 ウルトラマンへの道(ビンちゃん、主役だよ!;出演承諾 ほか)
第2章 過酷な撮影現場(初めての撮影;ウルトラマンのポーズ ほか)
第3章 ウルトラセブン~独立(隊員に選ばれる;カメラテストと二人のアンヌ ほか)
最終章 四十年後(再会;高野さんの死)
著者等紹介
古谷敏[フルヤサトシ]
1943年東京生まれ。俳優。1966年、初代ウルトラマンとして伝説となる数々の名シーンを演じ、その後のウルトラマンのアクションやポーズの原型を作り上げた。「ウルトラセブン」でアマギ隊員を演じた後、俳優を休業。株式会社ビンプロモーションを設立し、イベント運営にたずさわった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keroppi
77
「シン・ウルトラマン」で初代ウルトラマンの古谷敏さんが注目されていて、この本を読みたくなった。ウルトラマンの中に入った人しか書けないことばかり。苦しさとやりがいと感動と。仲間たちとの繋がり。読んでいて胸が熱くなる。ウルトラマンをやってよかったと、今も語れる敏さんが素敵だ。私もウルトラマンに夢をもらった一人だ。そう言えば今日は、円谷英二さんの誕生日だった。ウルトラマンありがとう‼︎2022/07/07
Bugsy Malone
67
俳優として顔を出さない「ウルトラマン」のスーツアクターという身に葛藤しながらも、ウルトラマンに憧れている側からは想像もつかない労苦の中、子供達に夢を与える事に誇りを持って最後までウルトラマンを演じ切った古谷敏さん。その古谷敏さんが自らの弱さまでも綴った回想録。セブンのアマギ隊員を演じ、役者引退、会社設立・解散。そして消息不明となった後の、かつての心温かい仲間達との再開。優しさと感謝の気持を忘れない古谷敏さん。こちらまで胸が熱くなる一冊でした。2016/01/03
Y2K☮
41
著者がスーツアクターを務めた初代ウルトラマンには他のヒーローにはないエレガントな雰囲気がある。スペシウム光線の手の組み方も力強いというよりは優しい。アクロバットな動きこそないが、佇まいから感情や葛藤が読み取れる。あの表現力は著者がメロドラマ志向の映画俳優だったおかげだ。パイオニアは全てが手探りゆえ危ないことや無茶も多い。CGもなかったし特撮班の苦悩は相当なものだったはず。でも不便な状況から知恵と工夫が育まれるのも事実。初代マンとセブンは今もよくDVDを見る。夏目漱石「坊っちゃん」と並ぶ私の創作の原点です。2021/08/20
hippos
34
当時の僕らは幸せだった。マーケティングの結果としてのヒーローじゃなくて多くの大人たちが心を込めて作ったヒーローに接することができたのだから。海で戦うシーンは最高にカッコよかった。水の恐怖。そんな苦労も知らず無邪気に興奮していた。 古谷さん、最後までやりきってくれてありがとう。2022/09/18
詩 音像(utaotozo)
28
発刊当時から気になっていたが、先日たまたま図書館で発見、遅読の自分がほぼ一日で読んでしまう程に面白く、感動感涙。ウルトラの懐古本、打ち明け話は数あれど、ウルトラマンの中身に迫れる本として唯一無二。異常な発汗、視界が悪い、息苦しいなどの「ハードな仕事」という着ぐるみ俳優の基礎知識はあったが、毎日のように休憩時間に嘔吐するなどという仕事がどれだけあるだろう。そして水と炎の恐怖!子供心にも「ウルトラマンが死闘を繰り広げているのは、お話の上」と理解していたのだが、その裏に本物の苦闘があったのだと知り愕然とする。2014/08/27