沖縄・久米島から日本国家を読み解く

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  • サイズ B6判/ページ数 318p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093878760
  • NDC分類 219.9
  • Cコード C0095

出版社内容情報

筆者は、東京やワシントン、モスクワを世界の中心として認識してきたが、地球は球体である。それならどこが中心でもおかしくないという認識を得た。そして沖縄県の久米島にある新垣の杜を中心に世界史を描き、自分のナショナリズムについて考えてみることにした。沖縄学の仲原善忠の思想に出会い、彼の上梓した『久米島史話』をガイドとして、沖縄人と内地人のアイデンティティーの差異を浮き彫りにしようと試みる。その結果、数々の権力に翻弄されながらも久米島という独自性を失わずに生き延びてきた人々の経済原則に忠実な姿が見えてきた。

内容説明

沖縄県の久米島にある新垣の杜を中心に世界史を描き、自身のナショナリズムについて考える。

目次

ソ連帝国の自壊
亜民族(ナロードノスチ)
根室
ユタ
死者と生者
ニライ・カナイ
堂のひや
マブイ
君南風
聞得大君
三朝交替
幕藩体制の中の異国
沖縄にとっての保守思想
100年の空白の後に
ガラサー山での三鳥モンダ王
学問の島
ウランダー
アメリカ帝国主義
琉球処分
文明開化
沖縄人とは
勝組
復古と反復

著者等紹介

佐藤優[サトウマサル]
1960年東京生まれ。79年同志社大学神学部入学。同大学大学院神学研究科修了後、外務省に入省。在ロシア連邦日本国大使館に勤務。95年より外務本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。2002年に背任と偽計業務妨害容疑で逮捕され、東京拘置所に512日間勾留される。『国家の罠』(2005年、新潮社)で毎日出版文化賞特別賞、『自壊する帝国』(2006年、新潮社)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ted

8
'09年10月刊。△沖縄の血を半分引く著者が母の故郷である久米島を世界の中心に見立てて、その視座から沖縄本島や本土、支那、アメリカとの歴史的関係を紐解く。沖縄は本土と違って易姓革命を受容する文化が伝統的にあるので日本政府が沖縄を大切にしないとそのうち日本から独立してしまうぞと警告する。ロシアやインテリジェンス関連以外の分野を開拓する試みとも受け取れるが、沖縄に興味が無いと正直言って厳しい内容なので広範な読者を惹きつけるタイプの本ではない。引用文が多く、しかもその引用文自体が下手で読みにくいのも一因だろう。2013/04/03

犬養三千代

6
あれっ?これ知ってる。と読み進めた。著者をみると文庫本で先に読んだのですが、もう一度さらさらっと読みました。以前のメモと重複してたのが ブリブルスさんのこと。末次一郎さんのことを調べてみたい。 霊魂の考え方も。 おもろさうし読みたいが難しいかなぁ。琉球神話と日本神話を並べてみたらという考え面白いと思う。国家の在り方のヒントになるかも。2018/01/03

やし

4
佐藤優氏の書籍はこれまで食わず嫌いしていたようである。この本はよい。何がよいかといえば、外務省を休職処分となっていた著者が自らの原点を見詰めなおすべく母親の故郷・久米島に深く沈みこむことにある。結果として、本書の深みはこれまでの佐藤氏とまったくことなる場所からの視点を獲得したことにありそうだ。そして、最高裁での控訴棄却を経て、2009年7月7日に氏は失職した。2010/02/05

兵衛介

3
私たちヤマトンチュは選択の余地なく日本国家へ帰属しそれに疑問を持つこともないが、沖縄の人々はいざとなれば独立さえ現実可能な文化的歴史的伝統があり、易姓革命の思想がある。更に重層的に、琉球王府に対する久米島という独立圏の存在が、沖縄と日本本土という従来の二元的思考に新たな刺激を与えてくれる。決して単一民族国家ではない日本国が、いかに国家としての総力を高めていくかを考える上で有益な書であるといえる。2010/02/14

まっちゃん

0
面白かったです。2015/05/22

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