「失敗学」事件簿―あの失敗から何を学ぶか

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093876315
  • NDC分類 336
  • Cコード C0095

出版社内容情報

事故多発の背景と失敗を活かす法則を解く。

人は必ず失敗する。そして忘れる。だからこそ失敗をしゃぶりつくそう! 失敗学の権威として多数の失敗分析を行ってきた畑村洋太郎教授が、近年実際に起きた事故や事件を見直し、その失敗から学ぶべき教訓を指南する。日本の安全神話が崩壊したと言われた尼崎JR脱線事故、みずほ証券の誤発注事件やみずほ銀行システムトラブルなどの大組織の不祥事、他に東京電力原発事故隠し、三菱自動車の連続不祥事、H-・Aロケット打ち上げ失敗、六本木ヒルズ回転ドア事故、雪印牛肉偽装事件など。多くの組織が「うちも失敗しうる」と考えず「うちは違う」と思った時、日本の安全神話は本当に崩壊する。事故や事件は起こした組織の責任ではあるが、社会全体の共有財産でもあるのだ。

内容説明

多くの組織が「うちも失敗しうる」と考えず、「うちは大丈夫」と思ったとき、日本の安全神話は本当に崩壊する。

目次

第1章 JRの脱線事故はなぜ起きたか
第2章 企業の組織構造が起こす「許されない失敗」
第3章 一度は通らねばならない「許される失敗」
第4章 大規模火災事故にみる教訓
第5章 災害・病気から学ぶ失敗学
第6章 失敗のメカニズム
第7章 事故を未然に防ぐために「動態保存」のすすめ

著者等紹介

畑村洋太郎[ハタムラヨウタロウ]
1941年東京都に生まれる。東京大学工学部機械工学科修士課程修了。東京大学大学院工学系研究科教授を経て、現在工学院大学国際基礎工学科(2006年4月よりグローバルエンジニアリング学部機械創造工学科)教授。東京大学名誉教授。専門はナノ・マイクロ加工学、生産加工学、創造的設計論。2001年より畑村創造工学研究所を主宰。同年より文部科学省「失敗知識活用研究会」実行委員会統括も務める。また02年より特定非営利法人「失敗学会」を立ち上げ、初代会長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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手押し戦車

9
一件の大失敗の裏には二十九件の顧客からクレームや軽災害がありその裏には社員がヤバいと感じる三百件の潜在的失敗が隠れている。失敗は隠すほど成長する。犯人探しは組織を疑心暗鬼にするだけで意味がない。失敗は現場に行って現場の人に話を聞き現物を見て客観視して初めて原因が分かり今後の課題として真摯に受け入れて行く。負の印象が付きまとう失敗は誰しも経験したくない事だが失敗を忌み嫌い原因解明を怠り隠したりすると次の失敗を招く。自分が知った情報は完全でないという前提に立ち個々の事例をどう考えるかという視点が大事。2014/12/04

がっち

2
近年起こった事件・事故を失敗学の見地から見ていくといったもの。失敗したとき実行すべきこと…現地・現物・現人の三現を実行、逆演算思考で考える、暗黙の知を表に出し伝達する、隠さない・嘘をつかない・辻褄合わせをしないの三ないを実行する、アウトプット型マネージメントをする、失敗をいかす。これが失敗を良い失敗にする秘訣であり。やらなければならないことである。失敗しても責任を追求ではなく、原因を追究するのを先に。B2010/12/04

nob

1
事例紹介が中心で、「失敗学」を知るという意味ではまとまりに欠ける感がある。それでも失敗の本質について示唆に富んだ内容。東電の原発トラブル隠蔽事件の背後にあると指摘される「絶対安全」の「いびつさ」の構図は、震災後も変わっていないのではないだろうか。2014/06/08

amane

1
2005年5月16日JR福地山線の脱線事故。死者107人で済んだのは奇跡だったそうです。2009/07/11

GOTI

0
☆☆☆☆啓示に富む。JR福知山線の事故をはじめ、多くの失敗事例を挙げ検証している。東日本大震災の5年前の出版にもかかわらず、明治三陸大津波の際に建てられた大津浪記念碑「高き住居は児孫に和楽、想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな」を紹介し、教訓とすべきと断じている。慧眼恐るべし。一般に原因究明、再発防止と責任追求を混同、同時進行する。ゆえに事故後、加害者は責任回避をすべく、過失を認めない。結果、原因究明、再発防止が二の次になり、失敗が再発する。どこかの会社でもあったような!?2016/03/26

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