出版社内容情報
「書き言葉」の日本語論は数多くありますが、(「文章読本」として)本書は「流行語」「敬語」「ら抜き言葉」など、二人の劇作家が話し言葉に焦点を絞って日本語の面白さ、問題点を語り合ったものです。
日本語論は、著名な作家、評論家の諸先生方が数多く執筆していますが、それは「書き言葉」における日本語論がほとんどです。 本書は、「話し言葉」を中心に据えて日本語の問題を徹底的に話し合った、今までになかった日本語論です。なぜ「話し言葉」なのでしょうか。それは井上ひさし、平田オリザの両氏が劇作家だからです。戯曲のせりふは、当たり前のことですが、「話し言葉」です。その「話し言葉」を操ってドラマを構成し、観客を笑いと悲しみの感動の世界に導いてゆくのが劇作家の仕事であり、「話し言葉」と日夜格闘しているからなのです。 「話し言葉の敬語」から、「流行語」「ら抜き言葉」「方言」、果ては「井上ひさしの作劇の秘密」まで対論されています。
目次
話し言葉の時代を走る乗り物としての「せりふ」
主語・述語の演劇と助詞・助動詞の演劇
「敬語」の使い方・使われ方
「方言」を生かす演劇
対話
戯曲のなかの流行語
戯曲の構造と言葉
戯曲の組み立て方
こうして最初の「せりふ」が生まれる
翻訳劇から日本の演劇を見詰める
「いかに書くか」から「何を書くか」へ
生きる希望が「何を書くか」の原点
世界の中の「日本の演劇」
著者等紹介
井上ひさし[イノウエヒサシ]
劇作家・小説家。1934年、山形県生まれ。上智大学卒。放送作家として活躍し、NHKテレビの連続人形劇『ひょっこりひょうたん島』が大ヒット。『道元の冒険』で第17回岸田国士戯曲賞を受賞、さらに小説『手鎖心中』で直木賞を受賞し人気作家となった。93年から98年まで日本劇作家協会の初代会長を務めた。「こまつ座」代表
平田オリザ[ヒラタオリザ]
劇作家・演出家、劇団「青年団」主宰、桜美林大学助教授。1962年、東京生まれ。国際基督教大学卒。『東京ノート』で第39回岸田国士戯曲賞受賞。「静かな演劇」の旗手として活躍。自身が所有・経営する東京・駒場の「こまばアゴラ劇場」を拠点に活動を続ける一方、2000年フランス、2001年アメリカ、2002年アイルランド、イタリアなどで交流公演を行うなど、海外へ向けての発信も精力的である
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感想・レビュー
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