マンガ 世界戦略―カモネギ化するマンガ産業

マンガ 世界戦略―カモネギ化するマンガ産業

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093873369
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

マンガ・アニメ業界の論客にしてご意見番である著者が、世界各地のマンガ事情を直接取材し、今や世界に誇れる日本文化の代表に出世したマンガ・アニメ業界を、ビジネス戦略の視点で捉え直した新基軸の書き下し書。

 文豪夏目漱石の孫にして、論理的な手塚治虫解析、マンガ評論を語らせたら右に出る者がいない著者が、単なるマンガ・コラムニスト、エッセイストの枠を越え、出版界を大きく支えるマンガ、コミックス、アニメ文化の国際的な地位低下の機微を敏感に捉えて業界人に発した啓発の書である。それと同時に、経済のグローバリゼーションに青息吐息で米国を追走する日本が、実は唯一文化的輸出産業であるマンガ産業においても、国際規範に置いていかれる可能性も指摘。未曾有の出版不況の中で、希望の光であるマンガですら救世主たりえない現状を、様々な人に会い、海外取材を敢行する中で、いかに解決していくべきか、独自の観察眼と洞察力で著したマンガ的構造改革処法のビジネス書である。

内容説明

どうする日本マンガ。夏目房之介が世界各地で見た「国際化」にとまどうマンガ・アニメの現状。脱「カモネギ化」構想つき世界マンガ論書き下ろし。

目次

第1章 マンガと異文化
第2章 私のマンガ「国際化」前史
第3章 一九九九年、私的マンガ「国際化」元年
第4章 「国際化」の先人達
第5章 アジアからみる日本
第6章 これからのマンガ
第7章 マンガ・世界・戦略

著者等紹介

夏目房之介[ナツメフサノスケ]
1950年8月、東京に生まれる。獅子座A型。青山学院大学文学部史学科卒業。マンガ家、イラストレーターとしてのみならず、評論、エッセイ、講演、テレビなど幅広い分野で活躍する。海外ではマンガ評論家として高い評価を受け、各国のシンポジウムにも度々招聘されている。1999年、マンガ評論における業績で第三回手塚治虫文化賞特別賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

64
2001年に出版された本だが、優れた比較文化論・出版経済論だと思う。もうこの頃から出版不況は常態化しており、日本マンガのガラパゴス化も指摘されているなど、構造的な問題についての意見が的を射ている。マンガは確かに日本が誇る文化だが、作中で指摘されているように、すでに世界中に優れたマンガを描くクリエーターが存在していることも忘れてはいけないだろう。2017/03/10

ゲオルギオ・ハーン

27
2001年発行。著者が香港、フランス、アメリカなどで日本の漫画について講演した反応、現地の漫画文化、流通システムを取材して日本との対比を冷静に分析した一冊。当時のアジアの漫画制作はアメリカのような分業体制かつ漫画家とも雇用関係にあるという点など面白いポイントが数多くある。一方で、業界関係者でもある著者だからこそ日本の出版業界に対する不満点(閉鎖性や権利関係のルーズさ)も鋭く指摘している。また、海外の制作方式を見たからこそ日本の編集者の特殊性と優れている点を発見・指摘している点も興味深い。2023/01/01

冬至楼均

0
タイトル通り、全体的にまとまりの無い文章の集合体(良い意味で)。それだけに、読むたびに(その時の興味の方向で)印象が変わる。2013/10/27

たろーたん

0
背景がリアルなのに人物が漫画チックな釣りバカ日誌に驚くアメリカ人。絵を大人が利用することが当たり前でないためATMにマンガの女性が現れ驚くドイツ人。酔っ払った大人が出てくるのは教育上よろしくないとして、レモネードで酔う日本の漫画キャラたちを見て当然と思っていたフランス人(ちなみにそのマンガはめぞん一刻)。フランスではさらに3Pとかアナルセックスは堂々と描かれるけどロリコンはダメみたい。シャレにならない幼児誘拐や性的虐待があるから。我々からみたら当然と思うマンガ文化も、他国から見れば変なのよね。2021/11/11

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