出版社内容情報
日中戦争・太平洋戦争を「神の国の聖業」にデザインし、新聞マスコミを統制し、国民に強力なマインド・コントロールをかけた国家情報機構の実態を解明します。未公開極秘資料をもとに、戦争司令塔の秘密をさぐります。
20世紀も終わりの今、〃自由主義史観〃など歴史を見直す声があがっています。戦後55年を経た今でも、日中戦争・太平洋戦争に対する評価は国民の間では定まっていません。本書はこれまであまり光が当たらなかった国家情報機構、すなわち内閣情報部や情報局の実態を未公開極秘資料をもとに解明したものです。戦後になって「何故、新聞やマスコミは戦争を讃美し、軍に協力したのか。何故、軍部に対しあれほど無力であったか」と言われています。国家情報機構が新聞マスコミをどのような手法で統制したのか、新聞はいかに抵抗し、敗れていったかが刻明に書かれています。そして、日中通貨戦争など、新しい視点から「いったいあの戦争は何だったのか!」を見つめ直します。
内容説明
あの戦争を「神の国の聖業」にデザインし、新聞マスコミを統制し、国民に強力なマインドコントロールをかけた国家情報機構の実態が今ベールをぬぐ。未公開極秘資料をもとに歴史のひだにかくれようとする戦争司令塔の秘密をさぐる。
目次
決戦下の新聞新体制
日本には言論の自由はなかった
昭和の幕開け
新聞業界最後の抵抗
満洲事変前奏曲
満洲への侵略開始
宣伝対策と思想対策
二・二六事件によるとどめ
逼迫する日中関係
近衛体制の法的基盤〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
西澤 隆
4
きなくさくなっていく大正から昭和初期になぜ新聞はきちんと時代に警鐘を鳴らすことができなかったのか。新聞出版をめぐる法律や対応する行政組織などの話をあげながら追い込まれる新聞の日々を綴る900ページを超える労作…なのだけれど、たぶんこれは新聞業界に近いヒトとそうでないひとでは感じ方は相当ちがうはず。著者は「でもなんとか頑張った新聞」を伝えようとしてるけれど僕は「ダブルスタンダードの業界に甘いブン屋」の姿を見てしまう。せっかくの貴重な資料を受けての本なのに「私的」演説会のようで読んでいてとても惜しく思いました2017/06/11