鳩の撃退法〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 477p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863896
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

人々の交錯が一日の物語となり浮かび上がる

もうしばらくだ。もうしばらく待てば、偽札事件は終息する。一家三人の神隠し事件はともかく、みずから関わった騒ぎのほうは警察も裏社会の“あのひと”こと倉田健次郎も追跡を断念するだろう。追手の心配がうすれ、そう考えた津田伸一はノートに鉛筆で「二年前、夏」と文章を書き出し、しばらく平穏に過ごしていた。
ところが翌月に入って、ハンバーガーショップに姿を見せた女優倶楽部の社長からいきなり退職金を手渡され、最後通告を受ける。
「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」
あのひと倉田健次郎が散髪に現れたのか? 房州老人のあの大金は裏社会から流れてきたものなのか? 数日のあいだ身を潜め、せっせと小説の下書きをつづける津田伸一にまもなく決断の時期が訪れる。
忽然と姿を消した夫婦と娘、郵便局員の失踪、疑惑つきの大金、そして「鳩」の行方……多くのひとの人生を大きく左右する二月二十八日の交錯が、たった一日の物語となって雪の夜に浮かびあがる。


【編集担当からのおすすめ情報】
本作品は文芸誌「きらら」に足かけ4年にわたり連載されました。その期間毎月、次回はどんな内容がどんなふうに描かれるのだろうか、と待ちきれなくてうずうずしていた編集者にとっては、こうして上巻から下巻までいっぺんに読める「あなた」が正直なところうらやましいです。下巻では急展開も待ち構えています。ぜひ最後の1行まで、これぞ小説、と言えるおもしろさをご堪能ください。

内容説明

「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」いきなり退職金を手渡された津田伸一にいよいよ決断の機会が訪れる―忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、裏社会の蠢き、疑惑つきの大金…たった一日の交錯が多くのひとの人生を思わぬ方向へと導いてゆく。

著者等紹介

佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県生まれ。長編小説『ジャンプ』(00年)が「本の雑誌」2000年度ベスト1、『Y』(98年)が「おすすめ文庫王国」第1位、『身の上話』(09年)が「ダカーポ最高の本!2010」国内ミステリー第1位に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

205
下巻も一気読みしました。トータルでは大変面白く堪能しましたが、結局全ては解決せず、フェイドアウトした感があるのは少し消化不良かな?最近上下巻の大作で上巻はかなり良い感じで行くのですが、下巻特にラスト100Pがどうかなという小説が多いような気がします!2014/12/25

シナモン

150
読み終わってやっと物語の全容が分かってきたかな~という感じ。時系列と登場人物を表にまとめながらもう一回読んでみたい気もするけど、そんな勇気はないかな。こんな難儀な読書時間もまた良い経験でしたが、私には合わない小説でした。でも映画は観てみようと思います。2021/06/15

ケイ

131
あぁ、なるほど。最後の数ページを読んで納得。まったく小憎らしい書き方だと賛嘆しながらも、なんて残念なことをとため息が出る想い。解決してないこともあるように思えるのは、読み落としだろうか?それとも、そのあたりに注意を向けさせられていただけなのかもしれない。たまにはこんな読書もいいな。2016/10/18

さこぽん

112
私的にはおもしろくてドハマりだけど、読むのを断念したひとも多くてちょっと残念。 ほとんどが伏線!コミカルな会話!現実と虚構のはざまを行き来する男! 遊び心満載でネバーランドにいるみたいで、読み終わりたくなかった。すべてが虚構だとしたら?なんて。やっぱり津田伸一は天才だった。そして、作者も天才だ、こんなん書くとは!! ほえ。佐藤正午さん、あなたのことばは、わたしに届いてますよ! SSS、AKWT!2021/05/22

☆よいこ

98
ストレス過多の上巻から解放されたいが為の下巻読了。三千四百二百万円を死ぬ思いで手放した津田は逃げ出し、中野ブロードウェイのバーで働く。鉛筆でノートに小説を書き続け、何のために書いていくのか自問自答する。しだいに明らかになっていく事件の真相は果たして現実なのか?それとも小説の中の話なのか?偽札=鳩は飛び立ち巣へ戻る。巡り巡って『ピーターパン』は津田の元へ帰ってきた。▽津田がゲスい「この女とは寝るだろう」とかなんなん。でも映像化したら確かに勢いあって面白いかも。藤原竜也ファンなのでたぶん見る。2021/09/06

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