• ポイントキャンペーン

胡蝶殺し

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 270p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863803
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

歌舞伎子役と親同士の確執を描くミステリー

「美しい夢ならば、夢の中でも生きる価値がある」
『サクリファイス』で大藪春彦賞、第5回本屋大賞2位を獲得した、近藤史恵氏が長年温めてきた、歌舞伎の子役を主人公にしたミステリー。
市川萩太郎は、蘇芳屋を率いる歌舞伎役者。花田屋の中村竜胆の急逝に伴い、その息子、秋司の後見人になる。同学年の自分の息子・俊介よりも秋司に才能を感じた萩太郎は、ふたりの初共演「重の井子別れ」で、三吉役を秋司に、台詞の少ない調姫(しらべひめ)役を俊介にやらせることにする。しかし、初日前日に秋司のおたふく風邪が発覚。急遽、三吉は俊介にやらせる。そこから、秋司とその母親由香利との関係がこじれていく。さらに、秋司を突然の難聴が襲う。ふたりの夢である「春鏡鏡獅子」の「胡蝶」を、ふたりは舞うことが出来るのか…?

【編集担当からのおすすめ情報】
とにかく読んでみてください。
歌舞伎に詳しい方も、そうでない方も、たっぷり楽しめます。
近藤史恵氏の淡々としながら緊張感のある描写に、あっという間にひきこまれると思います。

内容説明

梨園を背負う二人は「胡蝶」を舞えるのか?歌舞伎子役の愛と夢の物語。『サクリファイス』シリーズの著者、満を持してのミステリー。

著者等紹介

近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。93年『凍える島』で第四回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年『サクリファイス』で第十回大藪春彦賞を受賞、第五回本屋大賞二位となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

風眠

235
帯に『満を持してのミステリー』とあったので、これが殺人に繋がるのか?・・・あれ?いつ事件が起こるんだろうと思いながら最後まで読んだけれど、誰も死にません。梨園を舞台に、父を失った子役の後見人になった主人公が、葛藤しながらも前に進んでいく物語。歌舞伎の子役に焦点を当てたことで、その周りにいる大人たちの執念や懊悩が浮き彫りにされ、梨園を背負うということは大変なことなんだなと、伝統芸能の厳しさを感じた。大人の事情とは関係なく、ただ踊りたい、演技をしたいという2人の子役たちがいじらしくて、愛おしい気持ちになった。2015/01/25

hiro

230
『胡蝶殺し』という題名から単純に、梨園を舞台にした殺人事件が起こるミステリーだを思い込んで読み出した。しかし、この‘胡蝶殺し’という言葉には、全く違った意味が込められていた。中川右介著『歌舞伎 家と血と藝』を読んでいたので、歌舞伎の歴史、そして家と血と藝について少し知識はあったが、改めてこの小説を読んで、子役の秋司と俊介を通して、歌舞伎の世界の家と血と藝について、実感することができた。この家と血と藝に押しつぶされそうになっていた秋司親子は、それを跳ね除け、秋司と俊介は胡蝶を舞うことができるのだろうか。2014/09/02

ちょろんこ*勉強のため休止中

215
題名に”殺し”とあるが、いわゆる犯罪小説ではない。ミステリー要素を含んではいるものの、深い愛の物語。歌舞伎界が舞台になっているところが魅力的。芸の道の厳しさや、人脈関係の大切さ、役者同士の確執が分かりやすく描かれていた。エンターテイメント性が高く、脳内でビジュアル化しやすい。ライバルともいえる少年2人のキャラ設定が丁寧で、このまま歌舞伎版スポコンの方向に行くのかと思ったほどだ。それにしてもやはり愛情がテーマの小説はいい。コンパクトにまとまりすぎな気もするが、読みやすくてドラマ性も高い一冊だと思う。2014/08/17

ダイ@2019.11.2~一時休止

170
近藤さんがお好きな歌舞伎の世界。本作では子役にスポットがあたっていて、歌舞伎の世界を堪能できます。2017/10/22

タックン

146
はたから見て華やかそうな歌舞伎界(梨園)の厳しさが詳しくない俺でもよくわかった読みやすかったです。なぜこんな題名がつけられたのか?また秋司が(踊りはやめるけど芝居はやめないって)なぜ言ってたのか?・・・・最後にわかったときは秋司の聡明さ・思いやり・孤独感に感動でふるえました。そして自分の過去に恥ずかしくなりました。性格は反対だけど俊介の聡明さにも清々しい気持ちになりました。短い文章の中に父・母・子それぞれの思いが上手く描かれていてよかったです。今年1番だと思うほどの作品なのでお勧めです。2014/11/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8099498
  • ご注意事項