下町ロケット

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  • サイズ B6判/ページ数 407p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093862929
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

下町ロケット

主人公・佃航平は宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区にある実家の佃製作所を継いでいたが、突然の取引停止、さらに特許侵害の疑いで訴えられるなど、大企業に翻弄され、会社は倒産の危機に瀕していた。
一方、政府から大型ロケットの製造開発を委託されていた帝国重工では、百億円を投じて新型水素エンジンを開発。しかし、世界最先端の技術だと自負していたバルブシステムは、すでに佃製作所により特許が出願されていた。宇宙開発グループ部長の財前道生は佃製作所の経営が窮地に陥っていることを知り、特許を20億円で譲ってほしいと申し出る。資金繰りが苦しい佃製作所だったが、企業としての根幹にかかわるとこの申し出を断り、逆にエンジンそのものを供給させてくれないかと申し出る。
帝国重工では下町の中小企業の強気な姿勢に困惑し憤りを隠せないでいたが、結局、佃製作所の企業調査を行いその結果で供給を受けるかどうか判断するということになった。一方、佃製作所内部も特に若手社員を中心に、特許を譲渡してその分を還元してほしいという声が上がっていた。
そうした中、企業調査がスタート。厳しい目を向け、見下した態度をとる帝国重工社員に対し、佃製作所の若手社員は日本のものづくりを担ってきた町工場の意地を見せる。


池井戸 潤[イケイド ジュン]
著・文・その他

内容説明

取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

著者等紹介

池井戸潤[イケイドジュン]
1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒業後、三菱銀行(当時)入行、95年退職。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し小説家デビュー。10年『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HIRO1970

1628
⭐️⭐️⭐️池井戸さんの作品は初めて読みましたが、流石は直木賞受賞作ですね。内容的にも今の日本の閉塞感を打ち破るような、爽快感が感じられるものでした。冒頭とラストがリンクしながらも全く違う結果となっており、リベンジも叶った事で、読後感も非常に良い本だと思いました。訴訟リスクや運転資金リスク企業人なら誰もが関わる話が目白押しでサラリーマンである私は引きこまれて一気に読んでしまいました。なかなか難しいとは思いますが、どんな場所でも夢は持ち続けていたいものだと感じさせる作品です。2014/03/09

サム・ミイラ

1516
読み終えるのがもったいないくらい素晴らしい作品。もっともっとゆっくり読めば良かったかな。でも読む手が止まらない。経済小説は好きなジャンル。おまけに陰謀に裁判劇とくれば言うことなし。そんなエピソードを踏まえながら、本筋の夢と希望を乗せ実に爽快痛快な気分にさせてくれる物語。縁の下で日本を支える中小企業、名も無き人々へのエールでもある。私も勇気をもらいました。読んでよかった。2014/05/09

射手座の天使あきちゃん

1335
途中何度もガッツポーズ 盛り上げ処・泣かせ処は何段ロケットなの!?(笑) 技術立国ニッポンを裏で支える中小企業魂ここにありって感じの小説でした、言うことなし最高の一冊!! それにしても「トノ」が渋ぅ~い、憧れますぅ(笑) あっ、ネット検索したら東大阪の中小企業組合が人工衛星打ち上げていました、その名も「まいど1号」ですって! (^_^)v2012/11/03

めろんラブ 

1328
まさに時代の信託を受けた小説。長引く景気の低迷にリーマンショックのあおりを食い、新興国の台頭も目覚しい。加えて震災と、自信を失いがちな昨今の世情において、「ものづくり」に対するプライドを夢へ、更に形あるものへと変えていく男たちの姿は、確かな希望となって強く心に響く。勧善懲悪モノのようなステレオタイプの人物像と人物各々の掘り下げに物足りなさを覚えたが、読後はそれらを一蹴する爽快感に包まれた。安心・安定・堅実の”池井戸印”は噂に違わぬ高品質。未読の方、ぜひお試しあれ♪2012/10/16

にいにい

1286
2014年最初は、池井戸潤さん。日本の中小企業を、メインバンクとの関係、大企業の横暴に対して、技術力を武器に生き残る様をロケットエンジンの製作で描いている。課題設定は大満足だが、著者が本当に技術力というものをどこまで理解出来ているか疑問が残り消化不良。中小企業の技術力や企業運営の問題点は列挙されていたが、紙面制約からかまとめ部分がサラッとし過ぎ。大場教授との関係、特許訴訟相手・倫理違反者のその後、父娘関係等、もう少し、丁寧に筆を振るってほしかった。面白かったので、このまま終わりっていうのが惜しい一冊。2014/01/03

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