ユージン・スミス―水俣に捧げた写真家の1100日

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ユージン・スミス―水俣に捧げた写真家の1100日

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  • サイズ B6判/ページ数 237p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093798440
  • NDC分類 740.253
  • Cコード C0095

出版社内容情報

水俣病を世界に告発した写真家の本格評伝

二十世紀を代表する写真界の巨匠、ユージン・スミス(1918-1978)の代表作であり、人生最後のプロジェクトでもあったのが、写真集『MINAMATA』(1975年)でした。なかでも有名なのが、胎児性水俣病患者の娘をいとおしむように胸に抱く母の姿をとらえた「入浴する智子と母」の一枚です。この写真は世界中に衝撃を与え、水俣の公害の実態を海外に知らしめる役割を果たしました。
写真集『MINAMATA』のプロジェクトは、妻アイリーン・スミス氏との共同作業でしたが、もうひとり重要な役割を果たしたのが、当時ユージンのアシスタントを務めていた石川武志氏です。ユージンが水俣で過ごした約3年間、彼と生活をともにしながら撮影活動を支えた石川氏の視点から、独特の撮影手法や患者との交流、写真にかける情熱、情の深い人柄など、これまで語られることのなかったユージン・スミスの「水俣」がよみがえります。
2012年、第19回小学館ノンフィクション大賞受賞作品。


【編集担当からのおすすめ情報】
「ユージン・スミスの仕事をここまで力に満ちて追求し続けた作者に感服した」(椎名誠氏)、「もはやたんなる取材者を超えて、なにか大いなる真実に肉薄していこうとする求道者の印象さえある」(高山文彦氏)と選考委員の先生方も絶賛した小学館ノンフィクション大賞の受賞作です。彼の生涯を追いかけた初の本格評伝をぜひお楽しみください。

内容説明

世界中を震撼させた写真集『MINAMATA』はいかにして撮影されたのか。「フォトジャーナリズムの巨星」の本格評伝。第19回小学館ノンフィクション大賞受賞。

目次

「水俣」への道のり
原宿のセントラルアパートで
月ノ浦の溝口家
智子を撮る―宝子とピエタ
実子を撮る―いとしく美しいひと
五井事件
孝子を撮る―日本の原風景となる漁村で
裁判と若衆宿―しのぶと恵美子
写真集『MINAMATA』まで
ユージンの死
封印された写真の真実

著者等紹介

山口由美[ヤマグチユミ]
1962年9月15日、神奈川県箱根町生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。フジテレビ系列の会社勤務、ホテル・海外旅行専門誌のフリーランス記者を経て、現在はノンフィクションライター。ホテル、建築、近現代史などを主なテーマとしてノンフィクションを手がけてきた。一方で、旅をテーマとする紀行、エッセイ、コラムなどの執筆活動も行っている。『ユージン・スミス―水俣に捧げた写真家の1100日』で第19回小学館ノンフィクション大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おかむら

34
来月公開の映画「MINAMATA」の予告編を見るまで、写真家ユージンスミスのことを全く知らなかったので、原作本ではないけど関連書籍を探して読んでみました。ユージンスミスの水俣での日々を日本人アシスタントの視点で描く。写真集のある1枚の写真が封印された経緯も。なるほどジョニデが演じたがるのもわかる魅力的な人物像。そしてジョニデかなり寄せてきてる。映画は真田広之や浅野忠信、國村さんも出るので楽しみ。音楽は坂本龍一。2021/08/18

井月 奎(いづき けい)

33
命の永遠性や過去への回帰をさらりと行っている作品を創っているとき、芸術家は神を超えた存在になっています。ユージン・スミスはそのような芸術家に比べてむせるばかりに人間臭いです。劣っているというのではなく、むしろ人間の存在のままで消えゆく命に光を与えて、その命に踊るような律動をもたらせた。その創作は奇跡的です。その作品には命と存在の意味が浮き上がり、表現されていて、それは同じ人間だという思いがあるから見出せたのだとおもうのです。彼だからできたこと、そしてなぜ彼ができたのか、その一端をこの本は見せてくれます。2017/02/20

ぱんぺろ

9
『MIMAMATA』の代表作数点の撮影経緯を描く。また被写体や水俣の住人達、ユージンの妻や日本人アシスタント等にも焦点が厚く、ユージンと写真、また彼の死を通して水俣に深く傾斜していった人間模様とその過去から現在に至る断片も描く。しかしいかんせん内容が薄い。また図版が皆無に近いことが大負点。掲載が難しかったことは容易に推察できるもののアリゾナ大CCP所蔵AG33を「宝の山」と描写しつつもそれが一切見れないもどかしさたるや。とまれこれも水俣病を考えさせる読書だった。挿入されるジーンのキャプションが涙を誘った2015/08/27

けいた@読書中はお静かに

9
写真集MINAMATAをそばに置いて見ないと難しいかな。しかし、水俣へ興味を湧かせてくれるひとつのきっかけになったも思う。ユージン・スミスは沖縄戦で受けた怪我の療養中に撮った『楽園への歩み』は知っていたが、水俣を世界に広めた写真家だとは知らなかった。2014/01/12

tellme0112

8
写真見ないと分かんないな。写真とかジャーナリズムってなんだろうな。人間の陰の部分を想像しながら読む。全くこの方について知らなかったため。被写体との距離感について、興味深く読んだ。近すぎるとだめなのか。奥村英二はどんな写真家になったのかなと妄想…2018/12/14

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