模倣犯〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 721p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093792646
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕は、連続女性殺人事件の犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯に挑む、右腕を発見した少年と孫を殺された老人を待ち受ける運命とは? 魂を抉る驚愕と感動の3551枚!

 公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人??。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。

内容説明

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。直木賞受賞作『理由』以来三年ぶりの現代ミステリー。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年12月、東京都江東区生まれ。87年に『我らが隣人の犯罪』で第26回オール読物推理小説新人賞を受賞。92年に『本所深川ふしぎ草紙』で吉川英治文学新人賞、『龍は眠る』で第45回日本推理作家協会賞、93年に『火車』で第6回山本周五郎賞、99年に『理由』で第120回直木賞を受賞。著書は他に『レベル7』『地下街の雨』『蒲生邸事件』『天狗風』『クロスファイア』『ぼんくら』など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

160
面白かったです。事件とそれを取り巻く人々の丁寧な描写に引き込まれました。被害者の見えざる犯人に対する恐れと怒り、犯人側の視点による事件への想い。それぞれの物語が些細なところまで書き込まれているので、臨場感あふれるドラマになっていると感じます。圧倒的な重さでのしかかってくる感覚に襲われました。色々と散りばめられた物語がどう集約されていくのか。下巻も読みます。2017/02/06

とも

123
しんどい。おなか痛くなった。 登場人物それぞれで、 世界の見え方全然違うんだな。 私が読んで感じた、世界観もみんなと見え方違うのだろう。 下巻行ってみよう。2021/09/01

zero1

122
犯罪は確実に何かを奪う。一般人が凄惨な事件で家族を失ったら?公園のゴミ箱で見つかった右腕をきっかけに事件が明るみに。久しぶりの再読。二段組で上下合わせて1400ページと長いが、人情を忘れずに描くのは宮部節。発見者の高校生と、孫を失った豆腐店経営の老人。そして事件を追う滋子は宮部の分身。重苦しいというより気持ち悪い。宮部はこの作品を描くのに男の欲望を理解するのが難しかったと後に語っている。もちろん警察も描かれるがメインではない。第二部ではピースとヒロミ、そして和明が登場。視点の変化を見せつつ下巻へ続く。2020/07/06

再び読書

107
しかし、何故ここまで身勝手な人間が描けるのか?不思議なのが本音です。それだけ読めば、読めば読む程ムナクソが悪くなる。なぜのオンパレードが続く。栗原浩美は何故ここまで罪を犯す必要があったか?弘美が彼をここに導いたのか?あまりの性根の腐りぶりな言葉を失う。結論は出ているのだが、結局ピースに切られた栗原浩美はなおさら滑稽だ。とばっちりで真面目だけが取り柄のカズこと高井和明の人生はなおさら虚しい。この本を読んで、ぼくは、満足するのだろうか?ある意味、挑まざるを得ない読者ではある。2017/05/14

chimako

102
もう十分嫌な気持ちになった。救われない事件が起きた。壊れた二人の若者の壊れた思考回路に読み進めるのを躊躇うようだった。なのにまだ物語は半分過ぎたばかり。二段組721ページには可哀想な被疑者とその家族、これから罪を着せられるだろう純真な青年、警察の苦悩、人を殺して楽しみ殺される側の恐怖や家族の混乱を喜ぶ人でなしの様子が緻密な筆で描かれる。物語の始めに登場する家族を殺された少年は公園のゴミ箱に捨てられた若い女性の腕を見つけてしまう。何とも気の重い始まりだが、読み手は何かに誘われるように読む。下巻へ。2020/03/16

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