絶対音感

絶対音感

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  • サイズ B6判/ページ数 337p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093792172
  • NDC分類 761
  • Cコード C0095

出版社内容情報

普通の人は相対音感しかないが、絶対音感を持つ人がいる。絶対音感がある人は、どんな音を聞いても、その音名がいえる。虫の声でも、車のエンジン音でも、コップを叩く音でも、それはソのフラット、ラのシャープなどとすぐにわかる.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』209頁、より)

内容説明

小鳥の囀りも救急車のサイレンも「ドレミ」で聴こえる。でたらめに叩いたピアノの、鳴っている音が全部わかる。ポップスを聞いていても歌詞が頭に入らない。和音が鳴ると目の前に特定の色が浮かぶ。戦時中、爆撃機の機種や高度を当てる訓練があった。作家パステルナークはそれがないために音楽家を諦めた。日本人にはその能力をもった人が非常に多い、「絶対音感」の正体とは何なのか…。第4回「週刊ポスト」「SAPIO」21世紀国際ノンフィクション大賞受賞。

目次

プロローグ 書き換えられた自伝
第1章 人間音叉
第2章 形見の和音
第3章 意志の刻印
第4章 幻想狂想曲
第5章 失われた音を求めて
第6章 絶対の崩壊と再生
第7章 涙は脳から出るのではない
第8章 心の扉
エピローグ バラライカの記憶

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

12
最相葉月のデビュー作。絶対音感という「神話」の実体を暴こうという熱意が日本の音楽教育の歴史とねじれを掘り出し、音楽家の意識の核心に迫る。良い意味で「地雷を踏む」のはこの著者の才能だと感じ入る。五嶋みどりの母娘の音楽との格闘の物語には息詰まる感が、小説家パステルナークが音楽の道を断念したストーリーを発端に、平均律のA=440ヘルツにまつわるピッチと周波数の論争など興味深い話が展開される。思いがけず一気に読んでしまう快作。本書が大きな反響を呼んだ結果、当時流行の絶対音感教育がその後どうなったかが気になる。2016/12/24

11
図書館で借り読む。そういうことなのかと納得。(世の中まだわからないことばかり、個人のことなので、それぞれ認識が人さまざま。いい意味では「特殊能力」というほうが妥当かもしれない。悪い意味では「○○障害」となると勝手に思っている。またある意味ではすべての人が習得できるような技術ではないような気もする。)、でもいろんな事柄が繋がっていくである。きっと多かれ少なかれ、そういうことなんだろう。2014/04/27

Toshi

4
読もう読もうと思いつつ、10年以上積読本であった。やっぱ面白かった、最相さん凄くいいです。私はハ長調とかイ長調とか、その意味が理解出来ない。(T . T)2018/02/25

美東

3
2018年7月15日(日)の讀賣新聞の「本よみうり堂」における生物心理学者・岡ノ谷一夫氏の書評の冒頭。”私は、鳥やネズミなどの鳴き声の研究をしている。だから「動物には絶対音感があるのですか?」という質問をよく受ける。「人間以外の動物では絶対音感が主で相対音感は殆どありません」と答えると大抵の人が驚く。絶対音感は一部の芸術家に与えられた特権的な能力だという思い込みがあるからだろう。”

ムーミンママ

3
絶対音感。。国によって違ったり なかなか難しいモノなのですね。学校教育としての音楽の不自由さ、理不尽さに少しビックリしてしまいました。2017/06/07

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