出版社内容情報
愛と憎悪、複雑な人間の感情を描く感動巨編
友達に恵まれ、ボランティアと勉強に励む幸せな生活を送っていたジェルミの日常は、ある男との出会いで一変する。母・サンドラの婚約者で大金持ちの英国紳士・グレッグ。ジェルミの苦痛に満ちた地獄の日々が始まった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
毒兎真暗ミサ【副長】
56
※詳細な紹介にしたく前のレビューはコメント欄に移行しました※母一人子一人で暮らすサンドラとジェルミの前に現れた実業家グレッグ。再婚し幸せなはずが、物語は二人の葬儀から始まる(正確にはグレッグだけ危篤)。グレッグの実子であるイアンがジェルミの告白を聞き「犯人はジェルミ?」と疑惑の目を向ける展開。次第にジェルミの動機を探る回想へ。グレッグのジェルミに対する周到な心理的貶竄、壮絶な虐待が明かされる。支配された子は防衛本能が希薄なのか。デタラメな神が創る闇。迷い子と彷徨い突破口を見つけ出す!光射す名作、第一巻!2023/03/12
そらねこ
33
昨夜から今日にかけて文庫版を電子で全て再読。矢も楯もたまらずブログりました。連載中は読むのが辛くて結局読み返せずに長い間仕舞い込んでいましたが、残酷な話にも耐性が出来た今だからこそやっとちゃんと読めたとのだと思います。こんな凄まじい心理描写を絵で描ける萩尾先生は本当にすごい人だと改めて実感。 http://soranekotan.blog.jp/archives/25728837.html2018/04/15
空のかなた
27
萩尾望都さんしか創り出せない作品。純真な15歳のジェルミを地獄に落とし続けるのは、精神的に未熟な母親か。それともジェルミを力づくで冒涜し続ける母親の再婚相手義父の裏の顔か。自殺しかねない母親の精神を護りたい、でもそのために、義父に脅されるままに身を自由にさせる日々しかないのか。タイトルの「残酷な神が支配する」、全巻読み終わったときに、改めて「神」が誰なのか、解き明かされるのだろう。読みながら胸が締め付けられる。2023/04/22
そらねこ
25
連載当時に読み、コミックスも全巻購入していましたが、余りの内容の辛さに封印していました。気付けばもう何年?20年以上経ってますよね…ビックリです。しかも当時はグレッグの鬼畜さにだけスポットライトが当たってしまい、お葬式、そしてジェルミがイアンに告白した時点で物語が私の中でひと段落してしまい、イアンとジェルミの物語が私の中でぼやけていました。何故か突然読みたくなり、再読中です。そして過去にグレッグの鬼畜さやジェルミの辛さに深く考える事をなんとなく避けてしまった自分がいた事に気付きました…。2017/01/28
辺辺
18
美しくも残酷なお話。まだ第一巻で物語もまだ始まったばかりだというのに、なんというわくわく感←酷い!?(爆)続き、物凄く楽しみ。とりあえず、この巻では:上等な服を穿いてるゲスいたケダモノな義父と、見事な恋愛依存体質の癖にまったく子離れできてない母親との情欲過ぎた愛憎劇に翻弄されてしまった少年達の受難劇のよう。2015/01/01