出版社内容情報
植物を愛するように人を育てる異色の家庭裁判所判事・桑田義雄。現代の人々の愛と孤独を優しく描く都会派森林浴ドラマ。
▼第１話／ヒシ▼第２話／クロモ▼第３話／ユーステノプテロン▼第４話／コウホネ▼第５話／ソバ▼第６話／ウツギ▼第７話／リュウゼツラン▼第８話／シイ●登場人物／桑田義雄（高原地方裁判所判事）●あらすじ／桑田の新しい勤務地、高原市にある栄中学は数年前まで荒廃した学校だった。現在は教師による徹底した管理によってかろうじて平静を保つ状況である。その教師たちに不良と目を付けられている生徒の寺尾と町田は、学校で起きた格技場のボヤ事件の犯人だと疑われる。担任の緒方は彼らをかばったが、２人はまたすぐ恐喝騒ぎを起こしてしまう。緒方の指導を甘いと非難する他の教師たちは、寺尾と町田にある罰を与える……（第１話）。●本巻の特徴／この第13巻から15巻までは、全編を通してある中学校で起こった体罰事件に関するストーリーが描かれる。その体罰事件と桑田親子を通して、現代の学校が抱える問題が浮き彫りにされていく。●その他の登場人物／高原市立栄中学教師・緒方（第１話）、高原市立栄中学の校長・関（第１話)､高原市立栄中学の生徒・寺尾（第１話）、寺尾の母（第１話）、高原市立栄中学の生徒・町田（第１話）、高原市立栄中学の生徒・川上（第１話）、高原市立栄中学教
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しいたけ
36
職場にあったものを読了。以前読んだことがあり、この巻はとても印象に残っている。昔は田圃ばかりの田舎に団地ができ中学がマンモス化し荒れていく。ピークが過ぎても力で抑える教員のやり方は残っている。そこで2人の男子中学生を麻袋に入れ沼に沈める体罰事件が起こり、裁判へと発展する。社会の歪みが子ども達の生活に影を落とす。桑田判事は、自身の息子の不登校に向き合いながら、思うように息をすることさえ出来ずに喘ぐ子ども達に、生きていくために必要なことは何かを静かに内省させる手助けとなる。校長がいい。拳を握って読んだ。2016/03/19
絵具巻
0
文京区立真砂図書館で借りました。2014/12/26
あき
0
「お前、そういう無責任なことばっか言ってっから先生に嫌われんだよ。」「お兄ちゃんこそ、そんな怠け者だから、学校から追い出されちゃうんだ！」／たくましさがないと、自分の力では生きていけないんだ。自分が生きていくために本当に必要なものを見つけ出して、それを身につけていくことさ。森の中でも、町の中でも一緒なんだ。／「俺、自分のやったことと先公のやったこと、他の人に見てもらうのいいことだと思う…きっと少し強くなれる気がする。」／お前がもっと堂々としていればいいのさ。／差別されてるからワルやるしかねえんだよ。2022/03/20
