出版社内容情報
考古学者にしてオプ（探偵）。元ＳＡＳ（英国特殊空挺部隊）のサバイバル教官。さまざまなキャリアを持つ男・平賀＝キートン・太一が、世界をまたにかけ、保険調査員として難事件に挑む、知性派サスペンス!!
▼第１話／壁の忘れ物▼第２話／最後の挑戦▼第３話／ベンタヌ山の誓い▼第４話／山の裁き▼第５話／学者になる日▼第６話／夢を継ぐ者▼第７話／本日は多忙なり▼第８話／合格祈願●登場人物／平賀＝キートン・太一（母は日本人、父は英国人、英国国籍所持。オックスフォード大学出身、胡桃沢大学「考古学」講師兼フリーの保険調査員。元SASサバイバル教官）●あらすじ／キートンは旧東独でヒッチハイカーを拾う。10年前に東独を脱出して英国に渡り、そこで事業を成功させたという彼は、これから故郷に妻子を迎えに行く途中だという。しかし彼の妻子は既に町を出、ドレスデンに引っ越していた。キートンは彼に付き合うが、既にドレスデンの住居も引き払った後だった……（第１話）。▼学生時代の寮の同窓会に出席したキートン。そこにはボクシングミドル級全欧チャンプ、アーサー・ヘイルも顔を見せていた。彼はその席でキートンに、同窓生でアーサーの親友、マーティを探してくれるよう依頼するのだが……（第２話）。●本巻の特徴／第５話ではキートンの恩師・ユーリー・スコットが亡くなったことが示され、次の第６話でキートンは、オーストリアまで遺品を受け取りに行く。いよいよ物語はルーマニ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
33
少し前の「ＫＡＭＩＮＯＧＥ」で甲本ヒロトが「俺たちはいつも夢に見張られてる」と云ってた。それを確かめる最良の方法は今作を読むこと。大空襲の最中でも授業を続けたユーリ教授、目先の肩書や出世の為に進む道を偽らないキートン。多分彼はなかなか夢に近づけない半人前の己を恥じつつ精一杯今を楽しんでいる。アンテナを広げ、何にでも関心を抱き、大好きな研究に役立ちそうなヒントを常に探している。その姿勢があればこそ生活の為に始めたオプの仕事からも色々学べている。足元にも及ばないが彼を真似て生きてるつもり。確認終了。大丈夫だ。2017/08/06
眠る山猫屋
19
再読。いよいよ差し迫ってきた最終回に向けての助走といった感じの一冊。キートンの恩師ユーリ先生が亡くなり、亡師の足跡を辿るうちに、キートン自身が失いかけていた自信を取り戻す話が好きだ。媚びる事を潔しとせず、日本の大学を追われても、キートンの探究心は消えない。とてもカッコ良く見えた。2016/05/16
ツキノ
16
17年ぶりの同窓会、「山を汚す者は山が許さない」、日本の大学で学者を目指すには…恩師ユーリ先生が亡くなったという知らせ、キートンに遺された形見は小さなプレートでドナウ文明の存在を示すものかもしれない。百合子の進路希望。早慶大を目指し合格した永井（百合子もだ）の力強いことば。太平じい「女の自立もなかなかどうして大変だな」。2021/12/09
剛腕伝説
15
大学講師の職探しに奔走するキートン。しかし大学の主任教授はキートンの論文を、自らの功績にしようとする【学者になる日】、なくなった恩師ユーリー教授がキートンに遺した遺品とは？【夢をつぐ者】、ユーリー教授の遺志を継ぐ為にオプで金を稼ごうとするキートン【本日多忙なり】、娘の百合子がオックスフォードへの進学を選択する【合格祈願】等々。2021/09/04
yuuuming
12
リマスターを読んで読み返したくなって再読。ゆりこさんのほのかな恋の話が好きでした。聡明な女の子だなぁ。今でも女の子はこんなにたいへんなのにゆりこちゃんのときはいはんやをやだっただろうな。2014/12/31
